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1987 年度 実績報告書

基底膜・細胞表面高分子物質の炎症修復機構とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 62570278
研究分野 内科学一般
研究機関東京大学

研究代表者

村田 克己  東京大学, 医学部(病), 講師 (80010148)

研究分担者 小林 信之  東京大学, 医学部, 助手 (70186758)
中野 啓一郎  東京大学, 医学部, 助手 (10090490)
中原 和彦  東京大学, 医学部, 助手 (70101095)
志賀 淳治  東京大学, 医学部, 助教授 (10110694)
キーワード基底膜 / 高分子物質 / 修復機構
研究概要

炎症性細胞増殖で見られる基底膜高分子物質を研究する目的で, 細胞増殖の旺盛な多発性線維腫を選び, その高分子コラーゲンについて検討した. なお, 関節軟骨の加重増殖部位を選び, これより高分子プロテオグリカンを抽出し, この精製ムコ多糖分子種を高速液体クロマトグラフィーで同定した.
ヒト多発性線維腫は同時に多発性関節形成不全を併っていた. この組織よりコラーゲンを抽出し, SDSボリアクリルアミドゲル電気泳動によりその分子腫を検討した結果, 多量の短鎖コラーゲンが存在することを発見した. この短鎖コラーゲンは50KD, 55KD, 60KDの三本鎖から成るヘリックス構造を示すことを知った. このアミノ酸組成はコラーゲンの主要構成成分であるグリシン, プロリンが多い他, シスチンがこの短鎖コラーゲンに含まれていることを知った. これをrotatory shadowing電子顕微鏡でその主体構造を撮ることに成功した. このhelixの長さ105nmを有する短鎖コラーゲンは, モノマー, ダイマーの構造を有し, ダイマーはループ状の形態をとるものも検出された. 同時にglobularタイプを示す末端部がペプシン処理により遊離し, 球状構造として把えることができた. 今回われわれはこの増殖性腫瘤に初めて短鎖コラーゲンを検出した. さらにこの短鎖コラーゲンは分子種上, 分布率の高いタイプIコラーゲンよりも高い割合で存在するという全く新しい見解を呈示することになった. 一方, ヒト関節軟骨よりムコ多糖を精製して, 高速液体クロマトグラフィーで検討したところ, 従来認められていなかったデルマタン硫酸が10%存在することを発見した. このデルマタン硫酸は, 関節面のうちその荷重の高い部分に多く存在し, かつ, デルマタン硫酸の異性体も共存することを知った. この硫酸基の構造決定に高速液体クロマトグラフィーが極めて有効であり, 炎症修復の過程で重要な役割をもつことが示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Katsumi Murata, T.Motoyama M. Suka, M. Ohno and Y. Kuboki: Biochemical and Biophysical Research Communications. 147. 275-281 (1987)

  • [文献書誌] Katsumi Murata and Y. Yokoyama: Biochemical International. 15. 87-94 (1987)

  • [文献書誌] Katsumi Murata and Y. Yokoyama: glycoconjugates. 9. B9 (1987)

  • [文献書誌] Katsumi Murata, Y. Yokoyama and K. Yoshida: Journal of Biochemical and Biophysical Methods. 15. 23-32 (1987)

  • [文献書誌] 中沢浩二,清沢治夫,村田克己: 動脈硬化. 15. 1039-104 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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