研究概要 |
ヒスタミンのimmunenodulatorとしての役割を解明するための第一段階としていくつかのcell lineを用いて, フローサイトメトリーによるヒスタミンリセプターの検出法につき検討し, 更にヒスタミンによる細胞内セカンドメッセンジャー(CAMP及びCGMP)の動きについても検討した. Fluorescenceをラベルしたヒトアルブミンにペプチド合成試薬(ECDI)を用いてヒスタミンを結合させ, Fluorescinated-Albumine-Histamine conjugate(FAH)を作り, この試薬と各種細胞との結合の様子をフローサイトメトリーにより解析した. この結合の特異性を評価するため各種ヒスタミンアンタゴニストによるBlock効果も調べた. 更にヒスタミンによる細胞内CAMO及びCGMPの反応をRIA法により継時的に測定し, 上記フローサイトメトリーの結果とあわせて検討した. Thymoma由来のCell lineであるBW5147はFAHにより強く染色され, 10^<-4>Mのシメチジン(H_2blocker)及びピリラミン(H_1blocker)存在下に染色強度の低下(Block効果)が認められ, 更に10^<-5>Mのヒスタミンにて細胞内cAMP及びcGMPの両者とも有意な上昇が認められた事よりH1及びH2両リセプターの存在が示唆された. マクロファージ様Cell lineであるP388P1においてやはりFAHにより強く染色されたが, 10^<-2>MピリラミンでのみBlock効果が認められ, 又10^<-5>Mヒスタミンにて細胞内のcGMPのみ優位な上昇を認めた事より, H1リセプターが優位に存在している可能性が示唆された. P388P1にH1リセプターが優位に存在している事は, ヒスタミンによるcGMPの反応がシメチジンではほとんど影響をうけなかったがピリラミンにて有意に抑制され大事からも確認された. 現在このH1リセプターの性質についてトリチウムをラベルしたピリラミンを用いて, 更に詳細に検討している.
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