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1988 年度 実績報告書

全身性硬化症(強皮症)の線維性病変の成立におけるサイトカインの役割

研究課題

研究課題/領域番号 62570295
研究機関北里大学

研究代表者

近藤 啓文  北里大学, 医学部, 助教授 (70124922)

研究分担者 高品 尚哉  北里大学, 医学部, 助手 (00187949)
鈴木 貴博  北里大学, 医学部, 助手 (00179227)
キーワード全身性硬化症 / 強皮症 / 線維症 / 線維芽細胞 / サイトカイン / 1Lー1 / TNF / IFNーγ
研究概要

全身性硬化症(強皮症)の線維症の発現におけるサイトカインの役割を細胞培養系を用して解析した。
1.強皮症患者及び正常人のペトリディッシュ付着単核球(単球rich)をLPS添加、無添加で24時間培養し、その上清をモノカインとした。
2.既知のサイトカイン(recombinant 1L-1α、TNF-α、及び1FNーγ)の線維芽細胞に対する活性を検索した。
3.線維芽細胞(強皮症皮膚硬化部位、正常人皮膚)の増殖を3Hーthy midineの取り込みで測定した。強皮症モノカインは正常人のそれと比べ皮膚線維芽細胞の増殖をより亢進させた(強皮症△CPM29630±17338、正常人△CPM 22748±10838(n=12)、P<0.05)。
4.既知サイトカインの線維芽細胞増殖活性を強皮症と正常人で比較した。a:1L-1αは1pg/mlの添加で増殖を促進し、100pg/mlでピークに達した。強皮症線維芽細胞と正常人で反応に差がなかった。b:TNFーαの活性は0.2ng/mlで出現し、16.7ng/mlでピークに達した。強皮症線維芽細胞の反応は正常人と比べやや低かったが有意差はなかった。c:IFNーγは5μ/mlで増殖を抑制した。線維芽細胞で差がみられなかった。
5.線維芽細胞のコラーゲン分泌を3Hーprolineの添加でcollagenase感受性蛋白として測定した。1Lー1αの添加による分泌の増加は20%以下にすぎず、TNFーαの添加では影響を認めなかった。一方、IFNーγの添加では著明な抑制がみられた。いずれも強皮症と正常人で反応差がなかった。
以上、強皮症単球の培養上清には強い線維芽細胞増殖活性がみられた。しかし、強皮症線維芽細胞には、かかるモノカインや既知のサイトカインに対する反応性で正常と差がなかった。このことは、強皮症の線維症の発現に細胞性免疫系の関与があるとすれば、サイトカインの異常によるものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 近藤啓文: 炎症. 8. 433-437 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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