本年度の目的は、前年度(S62年度)に確立した、抗アシアロGM_1抗体の検出法を用いて、種々の自己免疫病の血清、髄液中の抗体を定量し、臨床病態との関連性を検討することにあった。SLE232例、DA60例、PSS、32例、ベーチェット30例、について検討した。 SLE232例中、神経症状を呈した42102例中60例が血清中の抗アシアロGM_1抗体陽性であった。(5910)また神経症状を呈するベーチェット病患者、即ちニューロベーチェット病10例中6例が抗アシアロGM_1抗体価陽性であった。他の自己免疫病である、RA、PSSにおいては抗アシアロGM_1抗体は検出され得なかった。また、また、神経症状を呈しないSLE、ベーチェット病の患者血清においてはほとんど、抗アシアロGM_1抗体は検出し得なかった。この結果は、ELISA法、TLC免疫染色法、どちらの方法を用いても同様であった。 これにより、神経症状を呈するSLE、ベーチェット病患者血清中には高頻度に抗アシアロGM_1抗体の存在することが判明した。髄液については十分な検体の確保が現在まで出来ておらず、今後検討していく方針である。また、現在、橋本らは、AceやHLAと抗アシアロGH_1抗体との関連性に注目し、検索を進めている。値の臨床症状との相関も含めて現在検討中であり、その結果が注目される。
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