研究課題/領域番号 |
62570300
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堺 秀人 東海大学, 医学部・内科, 教授 (80102846)
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研究分担者 |
須賀 孝夫 東海大学, 医学部・内科, 助手 (50187621)
遠藤 正之 東海大学, 医学部・内科, 講師 (10147134)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | IgA腎症 / スイッチT細胞 / Tα4細胞 / ヘルパ-T細胞 / IgA産生能亢進 / 家族性免疫異常 |
研究概要 |
本年度は最終年度であるため、本研究課題によって得られた成果を各研究年度毎に記す。 1.昭和62年度:IgA腎症患者血中のTα4細胞の増加、Tα4細胞数とin vitroでのIgA産生能との相関、Tα4細胞の患者における変化は細胞数の増加であって細胞の質的変化ではないこと。 2.昭和63年度:Tα4細胞のIgA特異的スイッチ作用がin vitroでの凝集IgA添加の有無と反比例し、低濃度ではスイッチ作用を促進し、高濃度ではこれを抑制した。また患者血清中特にIgA濃度が高値を示すものは他の患者血清および健常成人血清と比較してこの抑制効果が有意に高かった。 3.平成元年度:Tα4細胞数はIgA腎症の患者のみならず、その家族の中でも有意に増加しており、これら家族におけるIgA産生能亢進とも正比例の関係が見出され、本症におけるIgA産生亢進がTα4細胞の家族性増加によるものであることが示唆された。 以上の成果より、本研究課題は3年間の研究期間内に当初の目標を達成し、IgA腎症の発症因子の一つとされる家族性IgA産生亢進の機序として家族内のIgA特異的スイッチT細胞の増加があることを示した。このことから従来予想されていた本症の家族性免疫異常に具体的な細胞が指摘され、今後本症の早期発見や、同細胞の抑制による本症の根本的治療法の開発に有益な知見が得られた。 これらの成果を綜合して、平成元年末に臨床免疫の国際誌として最も権威があるとされるClinical and Experimental Immunologyに、本研究費補助金による成果であることを明記して報告を行った。
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