研究概要 |
昨年に引き続き、全身性エソテマトーデスにおける免疫複合体処理能力低下機序を解明するために、抗C^36受容体(CR1)抗体を検索した。昨年度にくらべ、まずCR1精製方法に工夫を加えた。ヒト保存血(O型)より赤血球膜画分を集め、さらに低張緩衝液で可溶化を行った。氷中にて行った。さらに超遠心の前に、限外ろ過(M:Nitan)により、分子量10万以下のものを除去しながら縮宿し、その後に超遠心を行い可溶化膜分画を得た。この点が昨年より、短時間で処理出来、改善された方法と考えられた。この分画より、Matrex gel red A beads,Lentll-lectin Sepharose等を組み合わせCR2を精製した。pvntyは昨年と大きな相違はないと考えられた。抗体検出は、本研究の目的であるELISAを施行し一部Wester blot法も施行した。標準血清はとりあえず、Bekton Dickinsonのmonoclonal抗体を使用した。ELISAでは、まずBlockに、ゼラチン仔牛血清アルブミン、Np-40等を試みた。このなかでは1〜3%の仔牛血清アルブミンが、健常人1:100倍血清希釈において、OD値を0.2以下に抑えることが可能であった。以後は全て、仔牛血清アルブミンを用いた。全身性エソテマトーデスの患者血清を用い測定を行ったが、10例中6例で陽性と判定し得た。1例抗体価の高い症例では経時的変化もみたが、ステロイド大量使用例ではなかった為か、有意な変動値は得られなかった。少なくとも、D,Fearonのラジオイムノアッセイによる報告では唯一例のみであったが、方法を変えると陽性率が高くなる可能性が考えられた。さらに検討を予定している。
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