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1989 年度 実績報告書

胃硬癌における癌細胞の浸潤性と基底膜コラ-ゲンの役割について

研究課題

研究課題/領域番号 62570312
研究機関東京大学

研究代表者

木村 正儀  東京大学, 医学部(病), 助手 (80126044)

研究分担者 佐野 順次郎  東京大学, 医学部(病), 医員 (70154127)
一瀬 雅夫  東京大学, 医学部(病), 医員
キーワード硬性胃癌 / IV型コラ-ゲン / Histo in situ hybridization
研究概要

硬性胃癌で癌間質にび慢性に基底膜コラ-ゲン(IV型コラ-ゲン)が出現する。我々は硬性胃癌におけるIV型コラ-ゲンの役割を明らかにする目的で,基底膜コラ-ゲン成分であるIV型コラ-ゲン,ラミニン,ヘパラン硫酸プロラオグリカン(HSPG)に対する抗体を用いた免疫組織学的検索を行なった。又IV型コラ-ゲンcDNAを用いたHisto in situ hybridization法によるIV型コラ-ゲン産生細胞の検索を行なった。
抗体を用いた免疫組織学的検索により硬性胃癌の癌間質にび慢性に出現するのは,IV型コラ-ゲンのみであり,他の基底膜成分であるラミニンHSPGは出現せず,癌間質中の毛細血管基底膜にのみこれら3成分が認められた。又,マウスラミニンを用いた接着試験の結果,癌間質中のラミニン,HSPGを含まないIV型コラ-ゲンはラミニン接着能を有する事が明らかにされた。IV型コラ-ゲンcDNAを用いたHisto in situ hybridizationは,米国,アップジョン社のDr.Linda Woodより供与を受けたマウスのIV型コラ-ゲンα1鎖cDNAを用い,Digoxigenin labeled probeを使用して行なった。結果癌細胞にIV型コラ-ゲンmRNAの分布が認められた。
これらの結果より,胃硬癌細胞によるラミニン,HSPGを含まないIV型コラ-ゲンの産生が示唆された。現在癌転移に関する理論として,Liottaらの言うラミニンレセプタ-を介する血行性癌転移が知られているが,本研究からは,これを積極的に支持する所見は得られず,むしろIV型コラ-ゲンレセプタ-が胃硬癌の転移に関する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Junjiro SANO et al.: "In Situ Localization of Pepsinogens I and II nRNA in Human Gastric Mucosa." Acta Pathologica Japonica. 39. 765-771 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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