研究課題/領域番号 |
62570322
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
姫野 誠一 大阪大学, 医学部, 助手 (80124775)
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研究分担者 |
松原 謙一 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (20037394)
假家 良則 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
黒島 俊夫 大阪大学, 医学部, 助手 (20186539)
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キーワード | ペプチド / mRNA / ガストリン / CCK / in situ hybridization / 胃 / 十十二指腸 |
研究概要 |
消化管におけるペプチド生合成機序の一端を解明するために、ガストリン、CCKのmRNA発現状況を組織学的に検討した。〔方法〕1)プローブの作製……ヒトガストリンcDNA、ヒトCCK・DNAをもつプラスミドクローンからそれぞれ適当な断片を切り出し、化学修飾を施した後、ビオチンを標識した。両ペプチドはDNA構造上ホモロジーを有するが、この部を含まないガストリンのエクソン2に相当するプローブも準備した。2)in situ hybridization……経内視鏡的生検により得たヒト胃・十二指腸粘膜切片を上記プローブとハイブリッドさせ、ビオチンに対してあらかじめ蛍光色素で標識した三次抗体を用いて組織中mRNAの検出を行った。またこれとは別に┣D132Pで標識した上記プローブによりin situ hybridizationを行ない、ラジオオートグラフィーによりmRNAの存在を確認した。3)ペプチド染色……ガストリン、CCK特異抗血清による酵素抗体法でペプチド染色を行った。〔結果〕胃幽門腺におけるガストリンmRNAは細胞質に明瞭な染色性を示し、核の非染性と好対照を示した。またミラー切片によりmRNA染色とペプチド染色との相同性につき検討したが、ほぼ満足すべき染色性を得た。しかしビオチン標識法はアイソトープ(┣D132┫D1P)によるラジオオートグラフィーに地し、やや特異性に欠ける傾向がみられた。〔考案〕非アイソトープ法による組織mRNA染色を技術的に可能とする共に、従来より遺伝子上の近似性を云々されてきたガストリンとCCK(構造的ホモロジーを根拠として)産生細胞が完全に異なることを明らかにした。なお、ヒト脳については末だ適当な材料が入手できず、適当な機会まで待期中である。
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