研究課題/領域番号 |
62570328
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 精四郎 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00158635)
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研究分担者 |
白井 睦訓 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20196596)
寺田 総一郎 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (40163919)
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キーワード | 非A非B型肝炎 / 輸血後肝炎 / 電子顕微鏡的観察 / ウィルス様粒子 / 核内粒子 |
研究概要 |
非A非B型肝炎について引き続き、透過型電子顕微鏡により肝組織を観察し、非A非B型肝炎に特徴的な超微形態が存在するかどうか検討した。対象は、輸出後急性肝炎3列、慢性肝炎活動型25例、慢性肝炎非活動型2例の計30症例である。成績:肝細胞核内変化;6例の慢性肝炎活動型症例と1例の輸血後急性肝炎症例に20〜27nmの核内粒子を認めた。肝細胞体内変化;慢性肝炎活動型の1例において、粗面小胞体内にtubuloreticular structure(TRS)様構造がみられた。Kupffer細胞の核変化;慢性肝炎活動型の1例にも肝細胞核内と同様な核内粒子を認めた。Kupffer細胞胞体内変化;ウィルス様粒子を2例に、TRSを2例に認めた。ウィルス様粒子は、輸血歴のある慢性肝炎活動型の1例にみられた。それらは、ライソゾーム様構造物の中に直径11nmの粒子としてみられ、結晶様配列をしていた。輸血後急性肝炎の1例においては、直径8nmと、極めて小さいウィルス様粒子の結晶様配列を認めた。また、TRSは、輸血後急性肝炎の1例と、慢性肝炎活動型の1例に認められた。TRSは、interfelon related structureと考えられており、非A非B型肝炎では、肝臓に内因性インターフェロンの誘導がある可能性が示唆された。非A非B型肝炎は、B型肝炎と似た臨床的な特徴を有するが、チンパンジーを含めた実験的研究によっても、その実態はまだ明らかになっていない。ヒト非A非B型肝炎に特徴的な超微形態を見出すには、かなりねばり強い研究を必要とする。今回、核内粒子、フィルス様粒子、TRSが非A非B型肝炎に見られたことが研究実績であるが、さらに特徴的な変化があるかどうか、今後も研究されなければならないと考える。
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