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1988 年度 実績報告書

原発性胆汁性肝硬変における肝内胆管を場とする自己免疫反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 62570329
研究機関高知医科大学

研究代表者

大西 三朗  高知医科大学, 医学部, 講師 (60136380)

研究分担者 前田 隆  高知医科大学, 医学部, 助手 (80183606)
西原 利治  高知医科大学, 医学部, 助手 (60145125)
キーワード原発性胆汁性肝硬変 / 細胞傷害性Tリンパ球 / 胆管上皮抗原 / リンパ球芽球化反応 / B1抗原
研究概要

原発性胆汁性肝硬変(PBC)患者の脾細胞の自己胆管上皮細胞に対する細胞傷害活性を測定した。自己胆管上皮細胞は剖検時に総胆管開口部よりEDTA、DNAase、Disparseを含むPBS液をpumpingし得た。細胞傷害活性は^<51>Cr%releaseによりE:T比、50、100、200で10時間培養で測定した。PBC3例ではE^2T比200で20〜40%の細胞傷害活性がT細胞分画に認められたが、対照のB型慢性肝炎の脾細胞は傷害活性を認めなかった。細胞傷害活性はcoed target inhibitionで阻害が認められ、かつT細胞傷害活性はCD8陽性分画に認められ、CD4陽性細胞分画には認めなかった。PBC患者の肝組織で見られる傷害胆管上皮にはCD8陽性T細胞の漫潤、併せて、PBCの胆管破壊に細胞傷害性Tリンパ球が関与する事を示す成績と考えられる。
ヒト胆汁中には胆管上皮抗原が存在する事を報告して来たが、今回家兎抗ヒト胆汁抗血清をプローベとして、部分精製した胆管上皮抗原を、SDSーPAGE、Western blottingを施行し、分子量200KD以上の胆管上皮抗原B1及びB3抗原を同定出来た。SDSーPAGE後、B1、B3抗原を電気泳動でゲルにより抽出し、PBC患者末梢単核球のproliferation assayを^3Hーthymidineの取り込みで測定した。PBCではB1抗原に対する芽球化反応が疾患特異的に検出された。一方B3抗原では芽球化反応を認めなかった。
以上の成績よりPBCの胆管傷害には胆管上皮抗原に対する特異的細胞性免疫が関与していると推定された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 西原利治,前田隆 他: 消化器と免疫. 20. 103-105 (1988)

  • [文献書誌] 大西三朗,伊藤憲一: 日本臨床. 46. 936-941 (1988)

  • [文献書誌] 前田隆,中田文子 他: 肝胆膵. 17. 675-679 (1988)

  • [文献書誌] S.Iwasaki;T.Maeda,et al: Hepatology. 8. 1415-1415 (1988)

  • [文献書誌] S.Onishi;T.Saibara,et al: Hepatology. 8. 1415-1415 (1988)

  • [文献書誌] 山本泰朗,大西三朗,伊藤憲一: "肝疾患研究の進歩II:PBCにおけるOverlapping疾候群" メディカルレビュー社, 137-146 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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