研究概要 |
これまで特異抗原によるI型アレルギー反応を評価する方法としては, high afinity Fc receptorを介する反応, 例えば皮内の肥満細胞上のFc receptorを介する抗原皮内反応や末梢血中の好塩基球上のFc receptorを介する抗原刺激によるヒスタミン遊離能らが用いられてきた. しかしながら, 細菌Low affirity Fc receptorを持つ細胞群, 例えばマクロファージや血小板, 好酸球, 好中球など, が存在することが次々と見い出されている. そこで本研究においてLow affinty Fc receptorを介するi型アレルギー反応を評価する方法を開発することを目的として, 化学発光を用いて特異抗原刺激による血小板の活性化を定量的に測定することを試みている. 末梢血より, 白血球をほぼ完全に除去した状態(血小板10^4個当り白血球1個程度)で血小板を抽出することはかなり難しく, これまでの諸家の報告に基づいて行うと, 現時点では2〜3%の白血球の混入がさけられない状況である. そのような条件下ではあるが, 血小板を特異抗原で刺激すると, 化学発光が認められた. これまでのところ, この化学発光が血小板によるものか, 混入した白血球によるものかはまだ結論がでていない. これが白血球によるものならば, 今後, 特異的なIgEを介した反応であることを照明しなければならない. 以上のことが, 昭和63年度の基礎的な研究課題であると考えている.
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