研究概要 |
1.超音波断層法による横隔膜運動と胸部X線より得られた横隔膜変化量の比較検討を行った。健常成人と呼吸器疾患患者を対象としてRV,FRC,TLCの角肺気量位をとらせ横隔膜上縁の動きを超音波断層で測定し、同時にX線で撮影した。この結果超音波断層によって得られた横隔膜変化と、肺気量変化はほぼ直線関係が認められ、本法が横隔膜の機能解析に有用であることが証明された。 2.横隔膜のolynamic stateにおける超音波断層所見とchest wall configurationの有機的関係について検討を行った。この結果一回換気量が1.5lの範囲内ではchest wallのすべての部位はほぼ直線的に増加し、肺気量変化に対する横隔膜及び他のchest wall configurationの関与度は一定の比率を有することが示唆された。 3.横隔膜の三次元立体画像構成のためのシステム作成を行った。この目的のため超音波断層像より、より鮮明なCT画像を用いて横隔膜の三次元立体画像の再構成を行った。この結果非常に正確な横隔膜の三次元立体画像を得ることが出来、これに基づいて横隔膜は楕円柱に楕円ドームを蓋った形状を或し、低肺気量内においてはこの形状を保ちつつピストン様に運動することが明らかになった。 以上よりCT画像に基づく三次元立体像再構成の方向が確立したため、超音波断層による横隔膜の三次元像再構成の見通しがつき、今後継続研究の予定である。
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