研究課題/領域番号 |
62570354
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 国立公害研究所 |
研究代表者 |
小林 隆弘 国立公害研究所, 環境生理部・慢性毒性研究室, 主任研究員 (50124342)
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研究分担者 |
山根 一祐 国立公害研究所, 環境生理部・慢性毒性研究室, 研究員 (40182589)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 気道反応性 / 気管平滑筋 / モルモット / 気道過敏性 / アラキドン酸代謝物 / 化学伝達物質 / トロンボキサン類縁体 |
研究概要 |
気道の過敏状態が誘起される機構を解析することを目的として、気道の弛緩や収縮に強い影響力を持つアラキドン酸(AA)代謝と気道過敏性との関係を以下の観点から検討した。気管平滑筋の化学伝達物質に対する反応性へのAA代謝物の影響、invivoで気道の過敏状態の作成と過敏状態を産む機構の解析。 以下に概要を示す。内因性のAA代謝物の存在あるいは非存在下での気管平滑筋の反応性を検討し、AA代謝物は反応性に影響を与えないことを明らかにした。また、ロイコトリエン(LT)、トロンボキサン(TX)A_2の類縁体U46619などの共存下でも、これまでの報告とは異なり、モルモットの気管平滑筋のヒスタミン(His)に対する反応性に影響を与えないことが明らかになった。 モルモットにO_3、NO_2、硫酸エアロゾルを暴露することにより、一時的な気道の過敏状態をつくりだした。O_3暴露によりinvivoで生じた気道反応性の変化はin vitroでの摘出気管筋のHisに対する反応性、に反映されなかった。一方、気道が過敏になると報告されているinvivoでのアナフィラキシ-反応の後のin vitroでのHis、LTC_4、U46619、イソプロテレノ-ルに対する反応性を検討し、U46619に対する反応性が増加すること、他の薬剤に対する反応性は変化しないことを見い出した。また、気道が過敏な時期にTX合成阻害剤を投与すると、気道の過敏性は抑制されること、気道を弛緩させると考えられているプロスタグランジンI_2合成活性に変化は見られないことが明らかになった。 以上、in vitroでは内因性および外因性のAA代謝物によりHis、アセチルコリンに対する気管平滑筋の反応性におおきな影響がないこと、invivoで各種の刺激を加えた後、気道は過敏になるが、そのときin vitroの平滑筋の反応性はU46619の場合を除き、有意な変化は見られないことが明らかになった。今後、気道過敏性とTXに対する反応性との関連を詳細に検討する必要性があると考えられる。
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