研究課題/領域番号 |
62570355
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 (1988) (財)東京都老人総合研究所 (1987) |
研究代表者 |
渡辺 伸一郎 東京女子医科大学, 消化器内科, 講師 (70075399)
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研究分担者 |
HIRATSUKA Tomoko M.D.
MIZUUCHI Tomoko M.D.& Ph Depart. of Basic Pathology, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontorlogy.
KATSURA Hideki M.D.
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | トリプシン阻害剤 / FOY-305 / CCK / セクレチン / 膵外分泌 |
研究概要 |
昭和61年度以来、ラット、イヌおよびヒトについてトリプシン阻害剤の膵外分泌亢進機序における内因性CCKおよびセクレチンの役割について検討してきた。1.ラットについて。 (1) トリプシン阻害剤 (FOY-305) の膵外分泌および血中CCK・セクレチンに及ぼす影響.ラット十二指腸内にFOY-305を投与すると膵外分泌は液量、重炭酸塩排出量、アミラーゼ排出量のいずれにおいても有意の用量依存性の増加を示した。血中セクレチンと重炭酸塩排出量、および血中CCKとアミラーゼ排出量との間には有意の正の相関が認められた。 (2) セクレチンのImmunoneutralization.FOY-305,100mg刺激後の膵外分泌は抗セクレチン血清投与によって循環血液中のセクレチンを中和すると、液量で49%、重炭酸塩排出量で77%の著明な抑制が認められた。しかし、アミラーゼ排出量には変化が認められなかった。 (3) CCK受容体拮抗剤の影響.FOY-305、100mg刺激後の膵外分泌はproglumide投与によって液量36%、重炭酸塩排出量34%、アミラーゼ排出量49%の抑制、また、L-364、718投与によって液量と重炭酸塩排出量36%、アミラーゼ排出量74%が抑制された。従って、ラットにおいてはセクレチンとCCKの少なくとも二つのホルモンが関与していると考えられた。2.イヌおよびヒトについて.膵瘻犬の十二指腸内あるいはヒト上部空腸にFOY-305を投与すると、膵重炭酸塩排出量と血中セクレチン濃度に有意の用量依存性の増加を認めた。しかし、膵蛋白排出量と血中CCKには有意の用量依存性の増加が認められなかった。従って、イヌおよびヒトにおいては内因性セクレチンの分泌を介して膵外分泌の亢進が起こることが示唆された。これまでトリプシン阻害剤の膵外分泌亢進機序は膵外分泌のnegative feedback機構から説明され、CCKの関与が指摘されていたが、本研究においてセクレチンも関与していることが明らかにされた。
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