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1988 年度 実績報告書

金属微小電極を用いた脳循環自動調節能の中枢に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570369
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小松本 悟  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60129434)

研究分担者 濱田 潤一  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70180940)
キーワード青斑核 / 脳実質内血管 / 脳循環 / 炭酸ガス / ノルアドレナリン作動性神経
研究概要

我々は既に、青斑核ニューロンの細胞外活動電位を導出し、脱血、再注入による全身血圧変動時、及び両側総頚動脈閉塞による選択的脳灌流圧変動時の放電頻度の変化について検討した。今年度は、CO_2負荷による脳循環動態変動時における青斑核ニューロンの反応性について電気生理学的に検討した。猫の青斑核にエルジロイ微小電極を刺入し、活動電位を導出した。導出電位は多ペソ記録器上に連続記録し、同時にデータレコーダーに記録した。さらに電極刺入側の大脳実質内血管における循環動態を光電装置を用いて、青斑核ニューロンの活動電位と同時記録した。Ectosylvian qyrusの皮質に光電装置を装着し脳血液含量(CBV)を連続記録した。また、同側の頚動脈内にCARBON B-ACK 0.2mlを注入し、脳組織血液平均通過時間(t^^-)を求めStewart-Hamiltonの式により脳血流量(CBF)を算出した。青斑核ニューロン活動電位の放電頻度は5%CO_2吸入開始直後から増加傾向を示した。さらに40秒後には放電頻度の増加は有意となり、50秒後には最大となり、吸入開始前の147±22%に達した(P<0.05)。2分間の5%CO┣D22吸入終了後放電頻度は一過性に減少傾向を示した後、再び吸入開始前のレベルに復した。5%CO┣D22┫D2吸入によるCBVは6.30vol%から、6.55±0.16vol%へ増加傾向を示し、t┣D4-┫D4は10.2±3.2secから7.8±2.3secへ有意に短縮した(P<0.05)。CBFは全例で増加し、平均すると46.0±9.2ml/100gbRAIN/minから64.5±15.4ml/100gbRAIN/minへと、37.4±9.7%の増加を示した(P<0.05)。本研究において、CO┣D22┫D2吸入中に観察された脳実質内血管の拡張と青斑核の放電頻度の増加との関係について、次の2つの可能性が挙げられる。(1)CO┣D22┫D2が直接青斑核を刺激して放電頻度を増加させ、脳実質内血管に対して収縮性に作用したが、血管壁に対するCO┣D22┫D2の直接拡張作用の方が優勢であった。(2)CO┣D22┫D2の直接作用による脳実質内血管拡張に反応して、代償的収縮作用をもたらした。今後(1)(2)の可能性を実証すべく、同実験系の拡大を計画中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 太田晃一: 自律神経. 25. 585-590 (1988)

  • [文献書誌] 高橋愼一: 自律神経.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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