家兎を用い、ウレタン・αクロラロ-ス麻酔下に左腎動脈を露出後、27ゲ-ジ針を左腎動脈内へ挿入し、B4147を5μg/kg/miuの用量で20分間注入した(n=9)。腎血流量の変化は新しく購入した電磁血流計を用い測定した。左尿管へもカテ-テルを挿入し採尿に用い、系球体濾過率をクレアテニン負荷によって測定し、腎循環調節におけるブラジキニンの関与を検討した。血圧も新しく購入した圧トランスデュ-サ-を用い測定した。 ブラジキニン拮抗剤を家兎陣腎動脈内へ5μg/kg/miuの用量で20分間直接注入した結果、全身血圧には有意の変化を認めなかったが、腎血流量は、30.6±2.9ml/minから26.4±3.1ml/minへ有意に減少し、(P<0.05)、系球体濾過率も有意に減少した(P<0.05)。尿量も0.35±0.05ml/minから0.27±0.04ml/minへと有意に減少したが(P<0.05)、尿中Na排泄量及び尿中K排泄量には有意の差を認めなかった。尿中キニン排泄量も1.24±0.26ng/minから0.92±0.20ng/minへと有意に減少した(P<0.05)。尿中カリクレイン排泄量も減少傾向を示したが有意の変化ではなかった。Vehicleコント-ロル群(n=59)では、これらメラメ-タ-に有意の変化を認めなかった。これらの結果は内因性キニンが腎血流量や系球体濾過率の維持に重要な役割を果たしていることを示唆している。尿量減少や尿中キニン排泄量の減少は腎血流量や系球体濾過率の低下に伴う二次的な変化と考えられた。
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