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1988 年度 実績報告書

ポジトロンCTによる梗塞心筋の代謝に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570390
研究機関京都大学

研究代表者

神原 啓文  京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50109005)

研究分担者 河合 忠一  京都大学, 医学部, 教授 (70025659)
玉木 長良  京都大学, 医学部, 助手 (30171888)
米倉 義晴  京都大学, 医学部, 講師 (60135572)
キーワードポジトロン コンピューティド トモグラフィー / 心筋梗塞 / 糖代謝 / ^<13>Nーアンモニア / ^<18>Fーフルオロデオキシ・グルコース
研究概要

心筋血流の非侵襲的評価法として^<13>NーNH_3ポジトロンCT法は現在最もすぐれた方法であり、局所心筋の相対的血流分布を定量的に評価することができる。また^<18>Fーフルオロデキシグルコース(FDG)をトレーサとして用いることにより心筋の糖代謝の検討が可能である。
剖検心において梗塞部にも心筋が残存しており、また冠動脈バイパス手術や冠血管拡大術により血行再建を行うと、心機能の回復する症例が少なくない。従って、梗塞部に残存している心筋を適確に評価することが重要である。心筋梗塞例の約半数に^<18>FーFDGの取り込みが見られることは前年度報告の通りであるが、FDGによる梗塞部心筋の糖代謝の存在が残存心筋を反映する臨床的な指標となるかどうかは明らかでなかった。そこで、貫壁性梗塞と考えられるQ波梗塞例と非貫性のnonーQ梗塞例を対比したところ、前者では梗塞部局所のFDG摂取増加は36%の症例に認められたにすぎないが、後者では91%とFDGの摂取が有意に高率であった。また左室造影法による心筋壁運動の検討において、心筋血流低下部位でのFDGの摂取は局所心筋壁運動障害の少い例で明らかで、高度な壁運動障害例ではその頻度が低かった。同様に、MRIを用いた左室収縮所時の心筋壁厚増大との関連性においても、FDG摂取例で壁運動異常の少ないことが明らかとなった。これらの事実は糖代謝の有無が梗塞部における残存心筋の評価に有用であることを示唆するものである。また、虚血心筋では脂肪酸代謝が抑制され、代償的に糖代謝が亢進していると考えられるが、安静あるいは運動負荷により、しばしば誘発される狭心症例においてFDGの摂取亢進のみられる例があり、いわゆる無症候性虚血の現象を示唆するものとして興味深い。なお、この点についてはさらに今後の検討を必要とする。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 不藤哲郎: 呼吸と循環. 36. 649-653 (1988)

  • [文献書誌] 橋本哲男: 呼吸と循環. 36. 739-743 (1988)

  • [文献書誌] 不藤哲郎: J Cardiology. 18. 13-20 (1988)

  • [文献書誌] 山下敬司: 心臓. 21. 107-115 (1989)

  • [文献書誌] 不藤哲郎: 心臓. 21. 116-122 (1989)

  • [文献書誌] Fudo Tetsuro: Am J Cardiol. 61. 1191-1197 (1988)

  • [文献書誌] Yonekura Yoshiharu: Am J of Cardiac Imging. 2. 122-132 (1988)

  • [文献書誌] Hashimoto Tetsuo: J Am Coll Cardiol. 12. 88-93 (1988)

  • [文献書誌] Tamaki Nagara: J Nucl Med. 29. 1181-1188 (1988)

  • [文献書誌] Tamaki Nagara: Am J Cardiol. 62. 202-208 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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