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1988 年度 実績報告書

冠動脈平滑筋膜電位固定法の開発とそれによる冠攣縮イオン機〓り検討

研究課題

研究課題/領域番号 62570395
研究機関徳島大学

研究代表者

森 博愛  徳島大学, 医学部, 教授 (80038687)

研究分担者 中屋 豊  徳島大学, 医学部, 助手 (50136222)
井上 勲  徳島大学, 酵素科学センター, 助教授 (80001973)
キーワード冠動脈攣縮 / 血管平滑筋 / 単一チャネル / Kチャネル
研究概要

冠動脈攣縮は冠動脈の強い収縮であり、周期的に繰り返して起こることが知られている。この収縮にはCaスパイクの関与が考えられるが、いまだ確認されていない(Cardiovasc Res 1977;Heart Vessel;1988に発表)。しかし、冠動脈平滑筋の膜電位固定は、血管壁の構造状の問題などのために技術的に極めて困難で、イオン電流の解析はほとんど行われていない。前年度の巨視的な電流の検討では、血管平滑筋は通常の状態では外向き電流が大きく正の条件電位を与えても正味電流は外向きであった(Tokushima J Exp Med,1988に発表)。本年度の研究においては、patch clamp法を用い、初代培養ブタ冠動脈血管平滑筋細胞を用いて膜電位固定を行ない、単一チャンネルのイオン電流を計測し冠動脈平滑筋の構成イオン電流の分離固定を行った。
Patch clamp法による単一チャンネル記録では、平滑筋細胞においては、チャンネル密度の高い細胞内Ca濃度に依存性のKチャンネルが3種類認められた。これらのKチャンネルはCaの流入に対して大きな外向き電流を生じ、Caスパイクの発生および細胞の収縮を抑制する役割を有すると考えられた。また、冠動脈平滑筋細胞には、従来のKチャンネルと性質の異なるKチャンネルが存在しており、このKチャンネルをブロックすることにより細胞の収縮を認めた。このKチャンネルの開閉は外液のCa濃度に依存し、ニコランヂル、SITSなどにより開閉時間が延長した。
今回の検討から、これらのKチャンネルの開閉が血管の収縮・拡張をコントロールする一つの大きい要因と考えられた(Nature投稿予定)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Iwaki,M.;Mizobuchi,S;Kawano,K.;Nakaya,Y.;Niki,T.;Mori,H.: Cardiovascular Research. 23. 130 (1987)

  • [文献書誌] Iwaki,M.;Nakaya,Y.;Kawano,K.;Mizoubuchi,S.;Nakaya,S.;Mori,H.: Heart and Vessel.

  • [文献書誌] Nakaya,Y.;Nakaya,S.;Mori,H.: Tokushima J Experimental Medicine. 35. 63 (1988)

  • [文献書誌] Inoue,I.;Nakaya,Y.;Nakaya,S.;Mori,H.: Nature.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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