研究課題/領域番号 |
62570405
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
永野 允 東京慈恵会医科大学, 青戸病院内科, 教授 (60056497)
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研究分担者 |
高橋 薫 東京慈恵会医科大学, 青戸病院内科, 講師 (40112833)
武田 信彬 東京慈恵会医科大学, 青戸病院内科, 講師 (60112835)
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キーワード | Cardiac hypertrophy / Cardiac growth factor / Cell culture |
研究概要 |
┣緒言┫前年度の報告で、肥大心筋より抽出した分子量43K dalton、等電点8.3の物質の鶏胚心臓肥大促進作用について報告した。今回は本物質の細胞の増殖、肥大促進作用について報告する。 ┣方法┫Wistar系ラットを用い、左腎動脈狭窄により高血圧を作成し、術後3週以降の持続高血圧により生じた肥大心を使用。この心臓の蛋白成分より、等電点電気泳動法により分離した43K dalton、等電点8.3の蛋白(Fーb)を培養心筋細胞(H9C2)、横紋筋細胞(L6)およびCHL(ハムスターFibroblast)を用いて検討した。培養はH9C2、L6はMediumとしてDーMEM、10% fetal bovine serumを用い、CHL培養にはFー12に10% calf血清を用い、37℃、5%CO_2、48hr.で行った。継代培養した上記3細胞を各々10^4cellを96wellのプレートに接種。これにF6を5×10^<-6>-5×10^<-8>Mの濃度で添加培養を行った。 ┣成績┫H9C2はラット心筋細胞であるが、培養により増殖を来す。等電点クロマトグラフィーで分離するときはポリバッファーを用いるが、ポリバッファー自体に軽度の培養増殖作用を抑制があるため、上記培養時には、対照にも同じような濃度のポリバッファーを添加した。その結果、F6分画は10^<-7>Mol以上でラット心筋細胞(H9C2)の増殖を促進する作用を示した。一方、L6ラット横紋筋細胞についてみると、10^<-8>Mの濃度の添加により細胞の増殖が認められた。他方、CHL細胞はポリバッファーがある場合には、それによって細胞の増殖が抑制される。しかしこれにF6が添加されると、ポリバッファーによる抑制がプロテクトされることが確認された。 ┣結論┫前回は、F6分画が鶏胚心臓を大きくする作用について報告したが、この蛋白質はラット心筋細胞、横紋筋細胞に対しても増殖作用を示すことが明らかになった。
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