研究課題/領域番号 |
62570416
|
研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
岡田 敏夫 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70018365)
|
研究分担者 |
稲場 進 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (10159949)
鈴木 好文 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (90086546)
|
キーワード | 学校検尿 / 低分子量蛋白尿 / 近位尿細管性機能異常症 |
研究概要 |
小児期特発尿細管性機能異常症は、近年学校検尿の普及により、蛋白尿を主訴とする疾患長より偶然の機会に発見されることが多い疾患である。われわれは、現在まで7例の本症例を経験した。いずれも男性であり、うち兄弟例が2家系にみられた。臨床症状は全く認められず、発育その他に異常なく,蛋白尿が唯一の症状であり、特に著明な低分子量蛋白尿を示すのが特徴である。一部症例に腎生検を行ったが、いずれも微少変化型であった。しかし、巣状硬化像を示す症例の報告もあり、今後本症例について腎組織像の検討も必要と思われる。 現在、最長20年にわたり本症例の予後調査を行っているが、低燐血症、全汎性アミノ酸尿、糖尿が認められる症例もあるが、しかし腎機能、発育は正常であり、普通生活を送っている。 本疾患の病態としては、近位尿細管からの低分子量蛋白の再吸収異常が最も考えられるが、今後他の尿細管疾患(口-症候群、ファンコニー症候群)との尿蛋白分析上の異同、さらに組織像の詳細な検討、また遺伝子的考察を行う必要がある。 このような症例が、今後どのような経過をとるのか、わが国にのみ存在するのか、きわめて興味ある症例であり、さらに今後、本疾患の病態解明が必要と思われる。
|