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1988 年度 実績報告書

脳の発達異常の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 62570425
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 富士夫  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20089882)

キーワード発達期脳障害 / 神経結合の再構成 / シナプス発芽 / ネコ / モノクローナル抗体 / 発生 / 赤核 / 大脳
研究概要

脳の発達異常の原因には先天的要因と後天的要因とがあるが、本研究の目的はこれらのうちで後天的要因によって生ずる神経回路の異常がどのような分子機構によって生ずるかを明らかにすることにある。発達期の脳障害の結果、成熟脳では見られないような多くの異常な投射(神経結合)が生ずることが動物実験によって明らかになっている。我々はこれまで仔ネコ及び成ネコを用いて脳損傷後における中脳赤核を中心とする神経回路の再構成に関して研究を重ねてきたが、本研究では、それらの研究に基づいて発達期脳障害によって生ずる異常な神経結合形成の分子機構を明らかにすることを目的としている。実験材料に主にネコを用い、神経回路の再構成に関与していると考えられる分子を検索した。生後1ケ月の仔ネコの大脳皮質を一側性に破壊すると、正常では殆ど存在しない、交差性の皮質一赤核投射が出現する。そこでこの異常な交差性投射の出現に関与する分子を見い出すため、生後間もない時期に大脳皮質を一側性に破壊したネコの赤核付近の組織を抗原としてモノクローナル抗体を作製した。スクリーニングには同様のネコの赤核付近の切片を用いた。昨年度の研究で得られた抗体95G10は軸索成長との関連で興味あるものであったが、赤核における発芽との関係では充分な証拠が得られなかった。そこで本年度は新たなモノクローナル抗体作製法を導入した。これは神経系全体に分布する抗原に対するポリクローナル抗体を予め得ておき、これを目的とする抗原を多く含むであろう抗原とともにマウスに投与するもので一種の免疫抑制法である。この方法を新たに導入することによって赤核部位を特異的に染色するモノクローナル抗体が3種得られた。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Murakami,F.: Behav.Brain Res.28. 175-179 (1988)

  • [文献書誌] Murakami,F.: Brain Res.447. 98-108 (1988)

  • [文献書誌] Murakami,F.: Brain Res.463. 144-147 (1988)

  • [文献書誌] Watanabe,E.: Neurosci.Lett.97. 69-74 (1989)

  • [文献書誌] Watanabe,E.: Neurosci.

  • [文献書誌] 村上富士夫: 脳と発達. 20. 123-128 (1988)

  • [文献書誌] 村上富士夫: 生体の科学. 39. 240-246 (1988)

  • [文献書誌] 村上富士夫: 医学のあゆみ. 145. 357-361 (1988)

  • [文献書誌] Murakami,F.: "Cellular Mechanisms of Conditioning and Behavioral Plasticity." Plenum, 21-26 (1988)

  • [文献書誌] Murakami,F.: "Post-lesion Neural Plasticity." Springer, 527-536 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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