研究概要 |
1)染色体異常診断補助システムについて: Clinical Atlas of Human Chromosomes(de Grouchy & Turleau,2nd Ed.)に記載されている91の染色体異常の症状を247項目に分類整理した. 各症候群の症状を数字記号にて, Data box(IBM)に入力し, 最初の報告者, 最小共通欠失部分, 報告数も入力した. これにより症状の番号による病名検索が可能となった. 本システムをもとにして, レスポンス時間の短縮をはかるため, 数コの症状番号を入力すると(最大10)数秒以内にそれらを満足する病名(最大10)が表示されるシステムをBasic言語をもちいて作成した. de nove染色体異常例を用いて有用性を検討した結果, 高精度分染法(G,Q,R-バンド)でも診断不能であったものが, 可能性のある染色体異常として表示された染色体の各バンドと対比することにより診断可能となった(約4例) 2)奇形症候群+染色体異常症候群診断補助システムについて SmithとBergsmaの教科書から332種の奇形症候群を抽出し, 症状を339の項目に分類整理した. 1)と同様にData boxに入力し, Basicシステムも作成した. 更に1)で作成した染色体異常システムと結合させることにより, 計423病名とした. また可能な限りMckusick No.と対比させた. 診断不明とされていた症例で検討した結果鑑別診断としてぬけている病名が表示され確定診断に役立った. 更に新しい症候群の発見に非常に有用であると考えられ, 数例について詳しく検討中である. しかし, 多くの症状を入力すると該当なしとなりやすいこともわかり(症状の発現頻度の問題), 病名確率を算出表示するシステムを引続き検討中である.
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