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1987 年度 実績報告書

ダウン症候群に伴なう骨髄形成異常の芽球の電顕細胞化学的特性

研究課題

研究課題/領域番号 62570437
研究機関独協医科大学

研究代表者

江口 光興  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (60020799)

キーワードダウン症候群 / 骨髄異形成 / MDS / 前白血病 / 巨核球性白血病 / 細胞化学 / 電子顕微鏡
研究概要

ダウン症候群に合併したmyelporoliferative disorder(Transient abnormal myelopoiesis,TAM)の15例につき電顕および細胞化学的観察をおこなった. 芽球を形態計測すると, 急性リンパ性白血病(ALL)より急性骨髄性白血病(AML)に近い形態的特徴を有していた. 即ち, 胞体面積はAML細胞に似て広く, ミトコンドリア数もAML細胞とほぼ同じ値を示した. それぞれの芽球の胞体内には, 巨核球系細胞に特徴的なα顆粒, 赤芽球系にみられるフェリチン含有顆粒, θ顆粒, 好塩基顆粒, 好中球顆粒などがみられた. このことより, TAMの芽球は多方面への分化傾向をもつ芽球であることが推測された. 細胞化学的にみると, 血小板ペルオキシダーゼは症例により差があり, 1%〜92%の芽球に陽性反応を示した. 骨髄ペルオキシダーゼは陽性反応を示す芽球は少なかった. 酸性フォスタファターゼおよび過ヨウ素酸反応性糖化合物の反応をみると, 胞体に集積した嚢状の陽性反応を示す部分があり, GERL(Golgi associated endoplasmic ret culum)と形態的に一致したGERLは顆粒形成などが著明なactiveな細胞によく発達する. TAMの芽球は分化, 成熟にむけてactiveに活動していると思われる. 胞体内のRNAは豊富だった. 酸性ムコ多糖類の反応をみると, 本反応陽性の好塩基球顆粒を思わせる顆粒をもつ細胞がみられた. 大豆レクチン結合部位を金コロイド法にてみると, 本反応陽性を示す好酸球顆粒をもつ芽球は少なかった. 免疫細胞化学的方法を用いて巨核球形質の出現を見ると, IIa-iiiB陽性の芽球がかなりみられた. 血小板ペルオキシダーゼ陽性の芽球の多いことも加えて, 巨核球性白血病との関連もあり, 比較検討した. 以上得られた結果は昭和62年日本臨床血液学会, 日本小児血液学などに発表した. 昭和63年日本小児科学会, 国際血液学会(ミラノ)でも発表予定で演題提出した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 江口光興, 杉山節郎 他: 日本小児血液学会雑誌. 1. 233 (1987)

  • [文献書誌] 豊田恭徳, 殿内力, 三間屋純一, 浜崎豊, 藤原卓, 林泰秀, 江口光興, 杉田完爾: 臨床血液. 28. 2039-2044 (1987)

  • [文献書誌] 須田純子, 江口光興: 臨床血液.

  • [文献書誌] J. Suda;M. Eguchi et al: British Journal of Haematology.

  • [文献書誌] 須田純子, 江口光興: "Annual Review血液1988(Down症候群にみられる白血病と一過性骨髄増殖性症候群)" 中外医学社, 57-64 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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