研究概要 |
毛の発生, 生長, 脱毛のメカニズムを解明する研究の手始めとしてanagen hair blubからdermal papilla(d.p)を分離し, in vitroにおける培養dermal papilla cells(d.p cells)の生物学的特徴について検索してきた. d.p cellsは大型の偏平な細胞で, 明瞭なaggregationを示し, その生長速度はdermal fibroblnsts(d.f)に比べて著しく遅い, さらにcollagen synthesisにおいてもreticular dermisのfibroblastsとは異なることが明らかになった. これらの実験結果に基づき, 引きつづきd.p cellsの生物学的特徴を検索した. (1)hermone receptor:P.C cellsについてandrogenおよびestrogen receptorの細胞内分布を検索した. dihydrotescostorore-perondase conjagareを用いての細胞化学的手法による染色の結果, P.C cellsの細胞質および核に陽性所見を認めた. この結果はP.C cellsがd.fと異なり, 明らかにandrogen receptorを有することを示すものである. 同様の方法で検討したestrogen receptorについては, d.fと有意な差は認めなかった. 皮膚, 特に毛包脂腺系はandrogenのtarget organであることは知られている. 我々の得た結果より推測するに, androgenic alopeciaなどでは, androgenはd.pのd.p cellsを介して毛丹細胞に作用している可能性がある. (2)chemetaxis: human embryo fibroblast-conditioned medium(HEF-CM), fibronectin(FN), placelet dereived growth factorなどのchemo-attractantsに対するP.C cellsのchemotactic respeaseをBoyden chamberを用いて検討した. その結果, P.C cellsはFNに大して明瞭なchemstactic responseを示した. この結果はd.pがin vivoにおいてFNに〓〓という事実と合せて, FNがP.C cellsの特性であるaggrgationに関与しているであろうことを示唆する.
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