研究課題/領域番号 |
62570469
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
堀内 淳一 他, 医学部, 助教授 (90013870)
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研究分担者 |
竹田 正宗 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30014244)
梅原 功 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20134695)
渋谷 均 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10014292)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 小線源治療 / 線量分布解析 / 低線量率照射 / 晩発性障害 / 治療可能比 |
研究概要 |
密封小線源の癌に対する制御効果は極めて優れているが、アフターローディング法の線源イリシウム(Ir)はまだ歴史が浅く、治療に伴う晩発性障害など治療可能比の面で解決すべき面も多い。これまでに蓄積された多数の舌癌症例について治癒と晩発性障害に関する因子について検討するとともに、容積・線量関係についても判別分析を行って小線源刺入の時点で治療結果の予測がある程度判別可能か検討した。(1)晩発性障害の実体調査はIr117例およびRa149例について比較検討した結果、局所制御効果についてはRa、Ir両群間に差は見られないが、線量分布からIrでは病巣の厚さが7〜8mmまでのものが最も良い適応と思われ、適応を誤らなければ90%程度の局所制御が得られる。Irの晩発性障害は小線源単独の場合、粘膜潰瘍についてはRaの約3倍多くみられ、顎骨障害についても約8倍多くみられている。この要因としてはIrの線量評価の世代、すなわちRaにおける線量計算をそのまま適用できないこと、また線源配置の問題(Irの線源長と治療面積の関係)が関与していると考えられる。また線量・時間因子の関与は明らかでなかった。顎骨障害では刺入面を歯槽部から距離をとるための特殊スペーサの応用により激減する可能性がある。外部照射併用ではRa、Irとも障害が高率で両者の線量配分に配慮する必要がある。(2)Ra治療例についての容積・線量ヒストグラムの定量的解析から判別分析を行った結果、治癒、非抑制、障害の3群の間に明らかな変化があることが明らかであった。これにより治療開始の時点である小線源刺入の時点に於てある程度、個々の例の治療結果の予測が可能となった。今後さらに症例を重ねてIr例についても同様の手段で解析を行うことにより、新しい線源に対する小線源治療における治療可能比改善と治療の基準化、最適化への一段階としたい。
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