研究課題/領域番号 |
62570479
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
田中 敬正 関西医科大学, 医学部, 教授 (40131445)
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研究分担者 |
播磨 敬三 関西医科大学, 医学部, 助手 (20121973)
沢田 敏 関西医科大学, 医学部, 講師 (80121937)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | Perfluorochemicals (PFC) / Angiotension II / 放射線増感効果 |
研究概要 |
腫瘍内の低酸素細胞の存在が放射線抵抗性の主因であると云われている。人工血液としてすでに使用されているPerfluorochemicals (PFCと略、実験にはこれのemulsionである20%Fluosol-DAを使用) をCarbogen. (95%O×_2+5%CO×_2) 吸入下に用いてin vivoにおける放射線増感効果を調べた。 (1) 腫瘍局所PO×_2の変動;実験腫瘍としては、RIF-1腫瘍を用い、ガラス微小電極を用い、ポーラログラフ法により測定した。色々の部位での腫瘍局所PO×_2の平均を見ると、未処置の腫瘍では、12、9mmHg、Carbogen吸入のみ39、4mmHg、Fluosol-DAのみ20、5mmHg、Fluosol-DA+Carbogen79、5mmHgとなった。 (2) 放射線増感効果;TCD50 (50%治癒線量) と正常組織の障害として皮膚スコア法で調べ、放射線増感率 (DMF) を求めた。Carbogenのみでは、皮膚反応は、DMF1、13±0、08、TCD50は1、22でTherapeutic Gain (TG) は1、08±0、08であった。しかしCarbogen+Fluosol-DAでは皮膚反応は、DMF1、15±0、12と小さく、TCD50は1、47となりTGは1、28が得られた。 (3) PFC+Carbogen+Angiotension II (AG II) 併用の局所PO×_2の変動;薬剤を腫瘍組織内に到達させるためにAG IIを併用した。AGII併用により局所PO×_2は更に有意に増加した。 (4) 臨床面への応用;癌患者での局所PO×_2の変動:子宮癌、肺癌などの皮下転移巣を用い、PFCのPO×_2増加効果を調べた。PFCをi、v、に投与したのち、Carbogenを吸入して、PO×_2の変動を検査した。Carbogenのみの吸入では局所PO×_2は殆んど上昇しなかったが、PFC注入後、Carbogen吸入によりPO×_2の著明な上昇を見た。とくに1〜5mmHgのPO×_2領域でも、部位によっては、著明なPO×_2の上昇が見られた。
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