研究課題/領域番号 |
62570480
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
福永 仁夫 川崎医科大学, 核医学, 助教授 (00093302)
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研究分担者 |
大塚 信昭 川崎医科大学, 核医学, 講師 (20140519)
森田 陸司 川崎医科大学, 核医学:教授 (60026896)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 骨塩定量法 / 二重光子吸収測定法 / 骨粗鬆症 / 慢性腎不全症 |
研究概要 |
腰椎の骨塩量を測定するために、精度および確度の良いガンマ・カメラ 方式の二重光子吸収測定法 (DPA) を開発し、以下の結果を得た。皮質骨が主体の 末梢骨 (第2中手骨、橈骨 ┣D71 (/) 3┫ D7遠位部) および海綿骨が主体の躯 幹骨 (腰椎全体と海綿骨) のいずれの部位においても、健常女性例では加齢と共に骨 塩量が低下し、特に閉経期以後にその低下は著明であった。また、健常男性例に比し て、骨塩量の低下は早期に出現し、その程度も大であった。末梢骨と躯幹骨について 加齢に伴う骨塩量の低下を比較すると、躯幹骨では骨塩量低下の出現時期が早く、し かも年間の骨塩量低下率も著しいことが示された。血中PTH濃度と骨塩量との関係 をみると、健常女性例においてはPTHの分泌と骨塩量との間に強い相関は認められ なかった。少数例について施行された骨形態計測の成績では、骨塩量の低下例は骨形 成、骨吸収が共に低下した低代謝回転型であった。このように、骨塩定量法、特にD PAによる腰椎の骨塩量の定量は、今後本邦において増加が予想される骨粗鬆症の早 期診断、骨折の危険性の予知や治療効果の判定に威力を発揮するものと期待される。 慢性腎不全症では、腰椎の骨塩量は低値から高値まで幅広い分布を示し、透析期間が 1〜5年の群と軽度の二次性副甲状腺機能亢進症群 (SHP) で高値を示した。他方、橈 骨の骨塩量については、透析期間が5年以上の群や明らかなSHP群で低値を認 めた。さらに、両測定部位の骨塩量に、解離を示した症例も観察された。これらの事 実は、慢性腎不全症の骨病態の解明にも、皮質骨と海綿骨両方の骨塩量の測定が必要 であることを示唆している。今後、多数例についての詳細な検討が期待される。
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