研究概要 |
これ迄に症状評価や診断に関しては, 長崎, 上海, ソウルの各研究センター間で, ほぼ一致するという結果を得たが, より細かな相違点についても討論を行ない, その結果については第9回西日本精神神経学会(昭和62年10月,岡山)において報告した. 本共同研究の第2段階としては各センター外来施設を受診する新来患者について, 一定のスクリーニングを行ない, 構成面接法であるPSE(現在症診断表)を用いて面接し, 症状評価を行なった. 診断についてはICD-9(WHO), DSM-III(アメリカ精神医学会), 及び各センターにおける従来の診断法(conventional)の3つを使用した. また今回, 独自に開発したSummary Sheetを用いて, 各対象者の就業状態, 収入, 家族, 居住地域などに関する情報も得た. このような方法で収集された各センター100名ずつの患者を対象として, 上記の3つの診断法, 及びCATEGOシステムを用いてPSE各症状から得られるコンピューター診断を用い, 3センター間で比較し, 症状についても解析中である. 更に各センターのcatchment areaについても居住人口, 医療体制などの背景因子に関する情報も集めた. 各センター外来施設のスクリーニングで除外されたケースについても比較を行なった. 昭和63年3月に長崎において, 他の2センターから研究員が参加した, Exchange Meetingを開催した.
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