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1987 年度 実績報告書

カルシウム代謝調節における副甲状腺ホルモンとビタミンDの相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 62570501
研究機関東京大学

研究代表者

山本 通子  保健センター, 助手 (60150281)

キーワード副甲状腺ホルモン(PTH) / ビタミンD / 副甲状腺機能低下症 / PTHmRNA(メッセンジャーRNA) / 血清Ca
研究概要

副甲状腺ホルモン(PTH)とビタミンD(D)の相互作用を検討するために副甲状腺機能低下症(PTH分泌【O!-】)と偽性副甲状腺機能低下症(PTH分泌【O!+】だが, PTH作用が発現しない)患者における腎でのCa再吸収をD治療前と後の状態で比較した. その結果, (1)D自体によるCa再吸収促進効果は, あるとしてもわずかである. (2)PTHによるCa再吸収促進効果が正常に発現するためにはD作用の正常化が不可欠である, ことが明らかとなった (J, Clin, Endocrinol, Mctab, 1988, 印刷中).
活性型Dである1,25(OH)_2DはPTHの合成を抑制すると報告されている. これに対し血清Ca値は, PTH分泌の調節因子ではあるが, PTH合成には大きな影響を与えないと考えられている. この点を明確にし, 1,25(OH)_2Dと血清Caレベルの相互作用を検討する目的で, ラットを用いたin vivoの実験を行ない, 以下のような予備的成績を得た.
(1)1,25(OH)_2Dを経静脈的に投与すると, 血中1,25(OH)_2Dが著増する. しかし絶食下での血清Ca値上昇はごく軽度である. この場合PTHmRNA量の低下は著明でなく, PTH合成に対する抑制作用は明らかでない. (2)高Ca濃度の電解質溶液を静脈内に持続注入すると血清Ca値が上昇する. 1,25(OH)_2Dは低下傾向となる. この状態でPTHmRNA量は有意に低下する. (3)低リン食飼育は, 中等度の高Ca血症と1,25(OH)_2Dの上昇をもたらす. この状態でPTHmRNA量は著明に低下する.
以上の成績から, PTH合成に抑制的に作用するのは, 1,25(OH)_2Dの上昇自体であるよりも血清Ca値の上昇である可能性の方が大きいと思われた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M. Yamamoto, Y. Takuwa, S. Masuko, E. Ogata: J. Clin. Endocrinol. Metab.66. (1988)

  • [文献書誌] 山本通子: 腎と透析. 22. 621-626 (1987)

  • [文献書誌] 山本通子: Medical Practice. 412-417 (1987)

  • [文献書誌] 山本通子: Medical Practice. 4. 1271-1274 (1987)

  • [文献書誌] 山本通子 他: "新臨床内科学" 医学書院, (1987)

  • [文献書誌] 山本通子 他: "代謝性骨疾患(整形外科Mook No.52)" 金原出版, (1888)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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