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1987 年度 実績報告書

甲状腺ホルモンの作用機構の解析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570511
研究機関京都大学

研究代表者

中村 浩淑  京都大学, 医学部, 助手 (60164331)

キーワード甲状腺ホルモンレセプター / レセプター抗体 / c-erbA / FRT細胞 / レセプター数の変動
研究概要

1.T_3核レセプター(NT_3R)抗体の作成
癌原遺伝子c-erbAの蛋白産物がNT_3Rと同一という最近の発表をふまえc-erbAの遺伝子配列をもとにC端側20個のアミノ酸のポリペプチドを合成した. これを抗原として家兎に免疫し, 抗体の作製をはかった所, 数回のブースターの後, 一羽の家兎から標識合成ポリペプチドと特異的に結合する抗体が得られた. この抗体と, ^<125>I-T_3・NT_3R複合体をインキュベートし, 第二抗体の抗ウサギ四清, あるいはstaphylococcus aureus細胞(PANSORBIN)を加えた所, NT_3Rが免疫沈降することが示された. また抗体を標識し, これをNT_3Rとインキュベートすると免疫複合体を形成することが, PEGアッセイにて証明された. 更にこの抗体は, HPLCで部分精製したNT_3RのT_3結合能を特異的に阻害した. 以上, 得られた抗体はNT_3Rに対する抗体である可能性が強く, 現在ウエスタンブロットと, オートラジオグラフィーによる分析を進めている.
2.培養甲状腺細胞(FRTL細胞)におけるNT_3R動能
先に豚甲状腺細胞にNT_3Rが存在することを発見したが, 培養甲状腺細胞にもNT_3Rが存在し, その数がTSHによって減少することを見出した. FRTL細胞は強いTSH依存性の増殖を示すが, TSHを添加すると逆にNT_3は著明に減少した. この減少は, TSHによるDNA・蛋白合成, 細胞内へのT_3の取り込み, 内因性T_3の生産量の差などにもとづく見かけ上の変化ではなかった. TSHの効果は用量反応性で, CAMPもTSHと同様の効果を示した. TSHによるNT_3R数の調節の生理的意義はまだ不明であるが, 培養下垂体細胞でTRHがNT_3Rを減少させることが報告されており, これらの成績は視床下部-下垂体-甲状腺系の新しい調節機構の存在を示唆するものかもしれない.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hirotoshi Nakamura: Acta Endocrinologica(Copenh). 117. 116-124 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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