研究課題/領域番号 |
62570513
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
難波 光義 大阪大学, 医学部, 助手 (00183533)
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研究分担者 |
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 助手 (60164886)
田島 幸児 大阪大学, 医学部, 助手 (60188240)
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キーワード | ラット下垂体周辺灌流 / TSH / Neuromedin B / TRH |
研究概要 |
ラット・マウスの下垂体前葉TSH分泌細胞内に神経ペプチドNeuromedin Bが共存することが報告された。我々は、ラット下垂体周辺灌流系を用いて、Neuromedin Bの存在がTSHの基礎およびTRH刺激後の分泌に及ぼす影響について検討を加えた。 1.SD系雄ラットから摘出した下垂体を正中断して、6.6ml/hのKRB緩衡液で灌流し、10分毎に採取した灌流液中のTSHを測定したところ、TSHの放出は緩衝液のみではゆるやかに減少した。TRH(1ng/ml)の連続刺激によってTSHの放出は60分間で8.1±0.6ng/mg pituitary増加した。 2.同時に灌流したNeuromedin Bは10^<-7>、10^<-5>Mでともに有意にTSHの基礎分泌を抑制した。 3.10^<-7>、10^<-5>MのNeuromedin Bの存在はTRH刺激によるTSH放出の増加分をそれぞれ、4.7±0.8、3.8±0.5ng/mg pituitaryに抑制した。 以下のように、Neuromedin Bはラット下垂体からのTSHの基礎分泌およびTRH刺激に対する分泌の両者を強力に抑制した。したがって、下垂体TSH分泌細胞に共存するとされる新しい神経ペプチドNeuromedin BはTSH分泌を抑制的に調節するNeuromodulatorであることが示唆された。 今後、甲状腺機能の亢進や低下状態においたラット下垂体からのTSH分泌に与えるNeuromedin Bの影響も検討してゆく計画である。
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