研究概要 |
1.NODマウスの脾リンパ球のNK様臍島細胞障害作用の検討 臍島炎が盛に観察される10週令前後のNODマウスを用いて, NODマウスおよびB10GDマウスの臍島細胞に対するNK様活性を^<51>Cr放出法で測定した. しかしspecific^<51>Cr releaseは4%以下であり, 有意のNK活性は検出されなかった. 2.臍島細胞に対するcytotoxic T lymphocyte活性の検討 NODマウスの脾リンパ球5×10^5とNODマウスの臍島細胞1×10^5を5日間培養した後, NODマウスの臍島細胞に対する障害作用を検討したが, 明らかなCTL活性は認められなかった. 同様の培養条件でBalb/cマウスの脾細胞に対するallo-killer活性は十分誘導された. 3.レクチン刺激脾リンパ球の臍島細胞障害作用の検討 Con-Aで3日間刺激したNODマウスの脾リンパ球は, NODマウスの臍島細胞に対して明らかな障害作用を示した. Con-Aで刺激したconditioned mediumだけでも臍島細胞から51Crを放出させる作用が認められ, なんらかの液性因子が関与していることが示唆された. 4.γ-interferonとtumor necrosis factorの作用の検討 ヒトの臍島細胞にclassIIMHC抗原を発現させることが示されているIFN-γとTNFは, マウスの臍島細胞においても5日間同時に作用させるとIa抗原を発現させた. Ia抗原発現の程度はNODマウスとB10GDマウスとの間で差がなかった. またIFN-γとTNFは単独では臍島細胞を障害しなかったが, 同時に作用させるとNOD, B10, GDの臍島細胞に対して明らかな障害作用を示した.
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