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1987 年度 実績報告書

ヒト甲状腺細胞におけるガン遺伝子発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570517
研究機関長崎大学

研究代表者

和泉 元衛  長崎大学, 医学部, 講師 (80039552)

研究分担者 山下 俊一  長崎大学, 医学部, 助手 (30200679)
キーワードヒト甲状腺細胞 / ガン遺伝子 / c-myc / c-erb A
研究概要

本研究では, 近年ガン遺伝子が正常細胞内にも存在し, その分化・増殖の過程に重要な役割をはたしているという点に着目し, ヒト甲状腺細胞において種々の刺激物質と細胞の分化・増殖にガン遺伝子がどの様な関与があるかを解明することにある. 一方, 1986年末にガン遺伝子の1つであるc-erb Aが甲状腺ホルモン(T_3)の受容体であるという報告がなされ, このT_3受容体と思われるc-erb Aのリンパ球内における調節機構をmRNAレベルで検討した.
まず, 甲状腺疾患の1つであるバセドウ病の成因は現在, 自己免疫機序によっておこり, 患者血清中のIgGが甲状腺を刺激し, 血中甲状腺ホルモンが増加するという考えが広く認められている. しかしながら, 甲状腺自身にその病因が存在する可能性は否定できない. そこで手術時に得られたバセドウ病甲状腺細胞と, 甲状腺癌の手術時に得られた癌周辺の正常甲状腺細胞を培養し, それぞれ TSH,IL-1で刺激しガン遺伝子の発現をmRNAレベルで検討した. その結果, バセドウ病甲状腺細胞は, 刺激前の状態において, すでにc-myc mRNAの発現を認め, 正常甲状腺細胞では認められなかった. また, TSH,IL-1刺激では, 正常及びバセドウ病甲状腺細胞ともにc-myc mRNAの発現を認め, 昨年, 米国甲状腺学会で発表した.
一方, c-erb Aが甲状腺ホルモンであるT_3(triiodo thyronine)の受容体であるということより, 甲状腺ホルモンによるc-erb Aの発現調節機構を, 甲状腺機能亢進症, 低下症及び正常人の末梢リンパ球を用い検討した. 機能低下症のリンパ球でc-erb AのmRNAが著明に増加をしているという結果を得, 米国甲状腺学会にて発表した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y. Nagayma;S. Yamashita;H. Hirayu;K. Ashizawa;S. Harakawa;S. Inoue;M. Izumi;S. Nagataki: Endouinologica. Japonica.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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