研究概要 |
(I)ラットを用いてラッナイフにより視床下部内側底部(MBH)切断術の成長ホルモン(GH)分泌に対する効果を検討した. 術後2週経過すると組織学的にMBHのAnterolateral Cufの軌跡を確認することは困難であるが, MBH内の組織に手術損傷がおよんでいないことは確認出来た. MBH内のソマトスタチン(SS), GH-releasing Factor(GRH)含量はAnterklateral Cufにより対照群の20, 80%以下に減少し, 下垂体前葉のGH含量も80%程度に減少した. 多数のラットにAnterklateral Cufを施行し, 無麻酔, 無拘束下のGH分泌パターンを許容したところ, 拍動性GH分泌が消失した群と残存群が認められた. 拍動性GH分泌が残存したAnterklateral Cufを受けたラットではCysteamine HCIの投与により消失させることが出来た. 以上の成績から, GRFニューロンの存在するMBHの神経組織は, 前側方からの入力によって拍動性GH分泌を発〓され, その内容はSSの可能性が強く考えられた. (II)MBHのAnterklateral Cufを施行し, 2週経過したラットに6時間GH分泌をを〓容後, 第三脳室にβ-endorphinを投与した. 拍動性GH分泌の発現が消失したラットではβ-endorphinによるGH分泌が認められなかった. したがってβ-endorphinのGH分泌促進作用はMBHの外からの入力が必要である. これがソマトスタメンであるか否か検討中である.
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