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1987 年度 実績報告書

脳における甲状腺ホルモンの作用機構とその加齢による影響

研究課題

研究課題/領域番号 62570527
研究機関関西医科大学

研究代表者

稲田 満夫  関西医科大学, 医学部, 教授 (90115791)

キーワード甲状腺ホルモンの作用機序 / ラット大脳皮質 / シナプトソーム分画 / T_3結合部位 / ニコチン / スキヤッチヤード・プロット / 解離定数 / 最大結合能
研究概要

脳における甲状腺ホルモンの作用機構を知る目的で, 今年度は若年ラット脳シナプトソーム分画(Sy)におけるT_3結合に対するニコチンの影響について検討した. Wistar系雄ラット(体重約200g)の大脳皮質を0.32M Sucroseによりホモゲナイズし, 非連続庶糖密度勾配法によりSyを得た.
SyはTris-Sucrose緩衝液にて再懸濁した. ラットを4群に分け, 各々にニコチン(0.25, 0.5, 2.0mg/kg/day)を1日一回皮下に注射し, 3週間後に実験に使用した. T_3結合実験は上記Sy濁液に^<125>I-T_3と非標識T_3を加え, 25°C2時間インクベートして行った. Sy結合T_3の分離にはPEGを用いた. 非標識T_3 10^<-5>M存在下の^<125>I-T_3の結合を非特異的結合として, 総結合量より差し引き, Scatchard plotにより解析した. Sy分画へのT_3結合はSyの蛋白量に依存し, 蛋白量5-150μg/tube間でほぼ直線的に増加した. ニコチン非投与ラットではT_3結合率(B/T)は非標識T_310^<-12>〜10^<-5>M添加により用量反応性に低下し, T_3結合のKdは約3.0×10^<-11>MでMBCは約4.8pgT_3/mg proteinであった. ニコチン投与ラットではKdは有意の変化を示さなかったが, MBCはニコチン0.25, 0.5, 2.0mg/kg/day投与で各々3.4, 1.7および.0.22pgT_3/mg proteinと用量反応性に低下した. ラット大脳皮質のT_3結合におけるMBCがニコチンの投与により減少したことより, シナプスにおける神経連絡にT_3とニコチンが相互作用を有している可能性が考えられた. 今後更に, SyにおけるT_4脱ヨード酵素活性との関係について検討すると共に各月令のラットを用いて, 加齢による変動を詳細に検討する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hasuo Mashio: Endocrinology. 110. 1257-1261 (1982)

  • [文献書誌] Yasuo Mashio: Acta Endocrinologica. 104. 134-138 (1983)

  • [文献書誌] 稲田 満夫: 代謝. 21. 39-45 (1984)

  • [文献書誌] 西川 光重: 医学のあゆみ. 143. 53-55 (1987)

  • [文献書誌] 西川 光重: ホルモンと臨床. 35. 217-226 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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