研究概要 |
脳及び下垂体のヨードサイロニン5′脱ヨード活性 (5′D)への加齢及び種々の活性物質の影響を検討する目的で、dopamine receptor agonist及びantagonstの若年ラット下垂体5′D活性に及ぼす影響を検討した。 (方法)若年Wistar系雄ラット(eu)及び0.03%メルカゾール飲料水を8週間投与後のhypothyroidラット(hypo)にdopamine agonist (Bromocriptine.20mg/Kg.Bro)及びantagonist(Haloperidol.20mg/Kg.Hal)を腹腔内投与した。対照群には、溶媒のみを投与した。投与1.2.4または8時間後に断頭屠殺し、直ちに下垂体を摘出した。下垂体ホモゲネートに2nM^<125>IrT_3.1mMEDTA.10mMDTT及び1mMPTU添加し、pH7.0にて37℃60分間インキュベートした。5′D活性はLeonardらの方法に準じて^<125>Iの放出にて測定した。10mMPTU存在下の5′DをTypeII,PTU非存在下との差をTYpeIの5′活性とした。 (結果)euにおいて、Bro及びHal投与ラットの下垂体5′D活性は、対照群(TypeI:692±47,TypeII:92±24fmolesI^- release/mg protein/hr)に比べ、各時間で有意差はなかった。hypoにおいては、対照群でTypeI5′活性は593±39とやや低下し、一方、TypeII5′D活性は596±94と著明に上昇した。しかし、Bro及びHal投与ラットでは、TypeI及びTypeIIのいずれの5′D活性も、対照群ラットのそれらと比較して有意な変動はみられなかった。 (結語)【〇!1】hypoラットでは、TypeI5′D活性の低下とTypeII5′D活性の著明な上昇がみられた。【〇!2】しかし、eu及びhypoラットで、これら5′D活性はBro或はHalで変動せず、dopamine neuronは若年ラット下垂体5′D活性の調節因子としての可能性は少ないと考えられた。
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