研究課題/領域番号 |
62570529
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
矢島 由紀子 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究室, 主任・研究員 (60090114)
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研究分担者 |
川崎 博史 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (70169704)
秋田 朗子 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (40124432)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | TRH受容体 / GTP結合蛋白質 / 百日咳毒素 / コレラ毒素 / ホスホリパーゼC / アデニレートサイクラーゼ / ADPリボシル化 / Caチャンネル |
研究概要 |
TRH(Throtropin-releasing hormone)は視床下部由来のホルモンで下垂体組織の受容体に結合後アデニレートサイクラーゼには影響を及ぼさず、イノシトールリン脂質代謝回転を促進しプロティンキナーゼCを活性化しまた細胞内のCaイオン濃度を上昇しその作用を発現させるものと考えられている。我々はTRH受容体に連関するGTP結合蛋白質に注目して、TRH研究に汎用されるGH_3細胞を用いてGTP結合蛋白質の性状を検討した。方法はGTP結合蛋白質をADPリボシル化して機能を調節するコレラ毒素と百日咳毒素を用いてTRH受容体とGTP結合蛋白質の共役に対する影響を調べ、TRH受容体に連関するGTP結合蛋白質の性状を検討した。一方、ウシ下垂体からGTP結合蛋白質の精製を試み、現在進行中である。次にTRHが促進する膜ホスホリパーゼC活性測定系の検討をも行った。これらの検討の結果、TRH受容体かGTP結合蛋白質を介して膜ホスホリパーゼCを活性化することを明らかにした。そして、TRH受容体に連関するGTP結合蛋白質はコレラ毒素感受性のGTP結合蛋白質であることを明らかにした。世界的にみて受容体ーホスホリパーゼC系に関与するGTP結合蛋白質がコレラ毒素感受性であるという報告は膵臓組織におけるセクレチンの場合だけである。しかしアデニレートサイクラーゼ促進系に関与するGTP結合蛋白質Gsの機能については、アデニレートサイクラーゼに対する作用以外に最近Caチャンネルに関与することが明らかにされた。このことは今後、コレラ毒素感受性GTP結合蛋白質の新たな役割が注目され、この今野の研究に対して我々の研究結果は画期的な発見であると確信する。
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