• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

T細胞リンパ腫の免疫学的および分子生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 62570540
研究機関三重大学

研究代表者

白川 茂  三重大学, 医学部, 教授 (20026850)

研究分担者 西川 政勝  三重大学, 医学部, 助手 (30144257)
北 堅吉  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90169847)
小林 透  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00144246)
キーワードT細胞リンパ腫 / 免疫表現型 / 免疫遺伝子型 / 二重遺伝子型 / T細胞受容体遺伝子再構成 / 分子生物学的診断 / Hodgkin病 / AILD@IBL病変
研究概要

我が国においては成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)を含めT細胞リンパ腫の相対頻度が高く、我が国のリンパ腫は一般に予後不良であるが、T細胞リンパ腫は組織学的に多様性であり、しばしばクローン性の確実な指標を欠くことが多い。前年度に引き続き各種の単クローン抗体による免疫細胞学的また免疫組織学的検討がなされたT細胞リンパ腫および前リンパ腫状態と考えられる血管免疫芽球性リンパ腫症(AILD/IBL)様病変またHodgkin病様病変をもつ症例の追加を行い、免疫学的にリンパ系腫瘍の分化段階、帰属の検討とともに、臨床材料から高分子DNAを抽出し、^<32>P標識cDNA probe(Ig geneについてはJ_H、J_K、Cμなど、TcR geneについてはC_<β1>、Jγなど)を用い、Southern blot法により免疫遺伝子(immune gene)の再構成の有無を検討し、免疫表現型(immunophenotype)と免疫遺伝子型(immunogenotype)を対比検討した。その結果、成熟リンパ系腫瘍においては両者はよく相関し、ことにTcR遺伝子再構成はT細胞リンパ腫のクローン性の指標として有用であることが確認された。未熟リンパ腫瘍であるT-ALL/LBLではTcRおよびIgH遺伝子とも再構成している二重遺伝子型(dual genotype)を示す症例が、precursor B-ALL(36%)ほどではないが、およそ1割ほど存在し、その遺伝子再構成が腫瘍隨伴異常再構成ないし未分化幹細胞段階での分化の不確実性を反映している可能性が明らかにされた。また検索症例のなかにTーlymphoblastic lymphoma(T-LBL)から異系統の骨髄球性白血病に移行した症例が、両表現系をもつ白血病にも拘らず、腫瘍細胞の単一細胞由来であることがTcRγ、鎖遺伝子再構成パターンから、分子生物学的に証明された。またAILD/IBL様病変またHodgkin病症例の一部にTcR遺伝子再構成をみるものがあり、T細胞リンパ腫ないし前病変の臨床的確定に有用であることが判明した。本年度は今迄に蓄積された研究成果の整理、追加、発表に努めた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Miwa H,et al.: Jpn J Cancer Res(Gann). 79. 484-490 (1988)

  • [文献書誌] Nosaka T,et al.: J Clin Invest. 81. 1824-1828 (1988)

  • [文献書誌] 小林透 他: 組織培養. 14. 74-78 (1988)

  • [文献書誌] 白川茂 他: Medicina,増刊号. 25. 2044-2047 (1988)

  • [文献書誌] 北堅吉 他: Medical Practice. 6. 52-56 (1989)

  • [文献書誌] 北堅吉 他: 免疫薬理. 7. 49-54 (1989)

  • [文献書誌] 白川茂 他: 診断と治療. 77. (1989)

  • [文献書誌] 白川茂 他: 癌と化学療法. 16. (1989)

  • [文献書誌] 白川茂 他: Sysmex Journal. 12. (1989)

  • [文献書誌] Shirakawa S,et al.: ""ATLL in Japan"in"Dermatology in Five Continents",eds by Orfanos CE et al." Springer-Verlag,Berlin, 719-728 (1988)

  • [文献書誌] 白川茂 他: "Common Disease Series 6 白血病・悪性リンパ腫:リンパ球系悪性腫瘍の遺伝子型" 南江堂, 276-284 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi