研究分担者 |
石原 重彦 大阪大学, 医学部付属病院, 医員 (70232329)
泉 裕 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
勇村 啓子 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
多和 昭雄 大阪大学, 医学部, 助手 (00155277)
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研究概要 |
急性白血病105例はFAB分類, phenotype, genotypeから B limeage ALL56, T-limeage ALL16, ANLL(acute nonlymphocytic)15, AUL(acute undilferentiated)17例に分類されたが, phenotypeとgenotypeにdissociationのみられる例(ex dual reanangement)が少なからずあり, linoage診断をするにあたり混乱を招きかねない. そこでgeneのmRNAを検討した. 検索したB-linoage ALL16例中8例はTβの再構成を, 残りの8例はgermlineであった. TβmRNAは, コントロールに用いたT-linoage ALLでは全例に1.3kbのfill-largthのメッセージであったが, B-linoage ALL16例中10例では全く検出されず, 残りのTβ gene reanangement例の3例とTβ geneがgerimlineの2例で微量のTβ mRNAが検出された. しかし検出されたmRNAは1.0kbの不安定のものであり, B-lineage ALLでみられるTβ gene reanangementはnon-philuctiveである可能性を示唆した. ただしTβ gene reanangementを有した1例で少量ではあるが1.3kbのfull-length Tβ mRNAが検出された. 本症例は例外と思われるが, phonotypeとgenotipeからB-lreageと考えられる例の中にもfull-lengthのTβ mRNAを産生しうるものが存在することを示している. このような例外はあるものの, 大多数のB limeage ALLではfull-lengthのTβ mRNAは保有しておらず, mRNAレベルを調べることによりlineage診断の精度はさらに増すものと考えられた, 全く同様にAULでみられたTβ鎖の再構成もfull-lengthのTβ mRNAを保有せず, mRNAレベルではT-cellのprecursorとは考えにくいことが判明した.
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