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1988 年度 実績報告書

フィブリノゲンγ鎖の構造と機能:特にフィブリン重合に関与する機能構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 62570549
研究機関自治医科大学

研究代表者

吉田 信彦  自治医科大学, 医学部, 講師 (10049083)

研究分担者 照喜名 重治  自治医科大学, 医学部, 講師 (80146159)
松田 道生  自治医科大学, 医学部, 教授 (50048980)
キーワードフィブリノゲンγ鎖の構造と機能 / フィブリン重合 / 先天性異常フィブリノゲン / フィブリノゲンγ鎖の異常 / リシルエンドペプチダーゼ / アミノ酸置換 / フィブリノゲンのプラスミン分解とカルシウム
研究概要

1.フィブリノゲン(Fbg)京都Iはγ鎖308アスパラギンがリジンに置換している。プラスミンはFbgのリジンの部位を切断するので、Fbg京都Iのプラスミン分解を検討した。カルシウム存在下にFbgをプラスミンで分解し、DEAEカラムでD1を精製し、D1をEGTA存在下でプラスミンで分解した。Fbg京都IのD1は正常より早くD2、D3に分解される事がSDSーPAGEの解析で明らかとなった。放出されたペプチドのHPLCでの精製及びそのアミノ酸構造解析から、Fbg京都Iではγ308リジンと309グリシンの結合ケプラスミンで分解される事が分かった。更に正常Fbgのγ212リジンと213グルタミン酸の結合も分解される事が判明した。
2.Fbg大阪IIIはγ鎖の見かけ上の分子量が正常より極めてわずかに大である。γ鎖の解析から、γ275アルギニンがヒスチジンに置換しており、Fbg Haifa、BergamoII、Essen、Perugia、佐賀と同じ異常である事が判明した。Fbg Haifaと異なり、Fbg大阪IIIをカルシウム存在下でプラスミンで分解するとD1が得られ、D2、D3にまで分解される傾向は見られず、Fbgへのカルシウムの結合も正常であった。本例はその一部を第10回日本血栓止血学会に報告した。
3.昭和63年度に入って新たに見出したFbg大阪Vはカルシウム存在下で凝固時間が全く正常化し、またカルシウム存在下でFbgをプラスミンで分解すると、D1にとどまらずにD2、D3にまで分解されてしまう特異な異常Fbgであり、γ鎖の解析からγ375アルギニンがグリシンに置換している事が明らかとなった。異常γ鎖にはカルシウムイオンの高親和性結合が見られない事も明らかとなった。この異常Fbgの解析から、γ鎖に存在するカルシウムの高親和性結合部位へのカルシウムの結合はフィブリンの重合への促進作用にはあまり関与していないものと考えられた。またγ375の部分もフィブリン重合に重要である事が判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nobuhiko Yoshida: J.Biol.Chem.263. 13848-13856 (1988)

  • [文献書誌] Nobuhiko Yoshida: J.Biol.Chem.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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