研究課題/領域番号 |
62570552
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕子 宇都宮大学, 保健管理センター, 助教授 (10137713)
|
研究分担者 |
須田 年生 自治医科大学, 血液学, 講師 (60118453)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
キーワード | 白血病芽球コロニー / 多能性幹細胞 / 慢性骨髄性白血病 / Ph^1(+)ALL / TAM(transient abnormal myelopoiesis) / 若年性慢性骨髄性白血病 / 単一コロニー / 染色体分析 |
研究概要 |
G-6-PD isozymeの研究により、多くの骨髄増殖性疾患が、多能性幹細胞性疾患であることが証明されている。しかし、この方法は患者がG-6-PD isozymeのheterozygoteであることが不可欠であり、我が国では検索不可能である。そこで、私たちは造血コロニーの形態と染色体分析を同時に行うことにより、同様に血球系の腫瘍化の及んでいる範囲を検討する方法を開発した。この方法を用いれば、より多くの患者、より多くの疾患で腫瘍化の起源細胞を検索することができるばかりでなく、病期の進行状況により、種々のクローン(正常クローン、または異常クローン)がどのように増減するかを、追跡検索することが可能である。私たちは既に、特発性骨髄線維症、赤白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、若年性慢性骨髄性白血病が、いずれも多能性幹細胞の異常に基づく疾患であることを証明してきたが、昭和62、63年度には、新たに下記の事を証明した。 1.慢性骨髄性白血病で、急性転化時に増殖しているクローンは多能性幹細胞由来であり、赤芽球、好塩気球、好酸球、マクロファージなど、種々の成熟血球に分化可能である。 2.この方法を用いて、Ph^1(+)ALL症例とPh^1(+)CMLのblastic crisis発症例との鑑別が可能である。(Ph^1(+)ALLでは、できた顆粒球系コロニー、赤芽球コロニー、巨核球コロニーにPh^1染色体は見つからないが、Ph^1(+)CMLのblastic crisis発症例では、全てのコロニーで、Ph^1染色体が検出された。 3.小児科疾患であるTAM(transient abnormal myelopoiesis)の時に増殖しているクローンは、腫瘍性に増殖している。 4.白血病で新たに異常クローンが発生する場は、骨髄以外である可能性があり、新しいクローンは末梢血中に先に流れて来る。
|