急性骨髄性白血病細胞各種病型においてコロニー形成刺激因子の一つである遺伝子組み換え型インターロイキン3(rIL-3)に対するコロニー形成刺激活性を白血病性コロニー法を用いて検討した。また白血病性幹細胞の自己再生能の及ぼす影響、コロニー構成細胞の表面形質、細胞形態について検討した。さらに遺伝子組み換え型顆粒球単球コロニー形成刺激因子(rGM-CSF)、遺伝子組み換え型顆粒状コロニー形成刺激因子(rG-CSF)との併用について検討し、コロニー形成刺激作用を正常ヒト白血球plytohemagglutinin刺激培養〓〓(pHA-LCM)と比較した。rIL-3は27例中12例(44%)で、コロニーを形成した。反応した例について病型との関連は認められなかった。反応程度はpHA-LCMに比べて有意に低値であり、rGM-CSF、rG-CSFの反応程度(前年度の結果)と有意差は認められなかった。rIL-3による自己再生能を8例で検討したが、pHA-LCMによるそれらの値とほぼ同様の値を示し、両群間の値には直線関係が見られた。rIL-3によるコロニー構成細胞の細胞表面形質は6例で検討したが、pHA-LCMによる値とほぼ同様であった。また細胞形態は両群共に芽球様であり、組織化学的染色性もほぼ同様であった。これらの結果はrIL-3は白血病性幹細胞の自己再生能、および分化の方向とその程度を変化させなかったことを示す。rIL-3をrGM-CSF又はrG-CSFと9例で同時添加したが、コロニー数はさまざまで、半数例では併用時のコロニー数はそれぞれのCSF単独添加時のコロニー数の合計とほぼ同様であった。残る半数では併用時のコロニー数はそれぞれのCSF単独添加時のコロニー数の合計に比べ有意に高値または低値を示した。白血病細胞のCSF併用による反応性はheterogenousであった。3剤のCSFを同時添加した場合のコロニー数はpHA-LCMのそれに比較し明らかに低値を示すことが多く、そのような症例では3剤のCSF以外のCSFが主なCSFとして働いている可能性が示唆された。
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