研究分担者 |
大野 茂男 遺伝情報研究部門, 研究員 (10142027)
赤松 紀子 東京都臨床研, 循環器病研究部門, 研究員 (30124431)
北川 恒代 東京都臨床研, 循環器病研究部門, 研究員 (70124451)
片桐 康博 東京都臨床研, 循環器病研究部門, 研究員 (60194768)
山崎 博男 東京都臨床研, 副所長 (50013826)
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研究概要 |
ヒト血小板糖蛋白GPIbをコードするRNAのソースとして, HEL細胞を選択した. HEL細胞におけるGPIbの発現を, モノクローナ抗GPIb抗体TM60を用いて検討すると, 末刺激状態では発現はみられず, TPA(25ng/ml)で24時間刺激し, 洗浄後さらに48時間培養すると, GPIbの発現が確認された. そこでTPA刺激24時間後に洗浄し, その24時間後に細胞を収集し, 型の如く全RNA画分, ついでpoly(A)PNA を抽出し, 2本鎖CDNAを作成し, λgt10のベクターに挿入し, CDNAライブラリーとした. GPIbの既知のアミノ酸配列から合成プローブを体成し, スクリーニングしたところ, 現在までに5個のpositive cloneを得, pUC18によるsubcloningおよびsequenceを行なっている段階である. GPIb上のトロンビン結合部位を決定するため, Lopezら(1987)の報告をもとにS-Sloop 付近の近接する4種の合成ペプチド(24〜28残基)を作成し, これらのトロンビン凝集への効果を検討した. トロンビン0.02U/mlによる洗浄ヒト血小板凝集は, これら4種のペプチドのいずれによっても抑制された. 特にN未側からのアミノ酸番号230番前後のペプチドAではもっとも顕著であり, 50%抑制濃度IC50は12MMであった. またトロンビンの酸素活性への影響を発色性合成基質S-2238 を用いて検討したところ, 4種のペプチドのいずれにも62.5MM濃度で完全な抑制効果が認められ, もっとも強力であったのはN末側から250番前後のペプチドBであった. 以上の成績から, GPIbとトロンビンとの相互反応にはGOIbのN末側の40KDaフラグメント上のS+Sloopに含まれる部分の関与が示唆された. GPIbにはリストセチン存在下でのvonWillebrand因子の結合部位も存在するとされているので, トロンビンの結合部位との位置関係も明らかにして行くつもりである.
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