研究分担者 |
間辺 俊一郎 東京大学, 医学部(病), 医員
百名 祐介 東京大学, 医学部(病), 医員 (50189809)
小林 一博 東京大学, 医学部(病), 医員 (60111514)
安原 洋 東京大学, 医学部(病), 医員
永島 嘉嗣 東京大学, 医学部(病), 医員 (80198324)
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研究概要 |
雑種成犬を左開胸し, 冠動脈の二枝(左回旋枝, 前下行枝)に電磁流量計を装着した. 二枝に狭窄を作成し冠動脈血流量を50%以下に低下させたものを狭窄群とした. 狭窄作成時には心室細動などの不整脈防止のために, β遮断剤を使用するのが一般的であるが我々は実験結果への影響を考慮し何とかこれを使用せずに狭窄作成を試みた. このため当初は困難を感じたが次第に安定した狭窄を得られるようになった. 術中の輸液維持をラクテートリンゲル液5ml/kg/hrのみで維持すると両群とも低心拍出量状態となり有意義が出ず, これは輸液量を少々増量しても同様であったため, 血〓増量剤を使用することにした. これにより早期に低心拍出量状態になることは防止できるようになったが, 大動脈遮断前後で両群共, 心血行動態の諸指標に有意差を認めなかった. これは雑種成犬では下肢血管床が小さいため, 腎動脈下大動脈遮断の血行動態へ与える影響が少ないためと思われる. このため目下下肢血管床の増大時の変動に関して検討中である. また大動脈遮断時に心室性期外収縮を頻発するものがあり, これらは遮断解除により速かに消失したが, これは新たな研究課題となり得る. 腎動脈下大動脈遮断のみでは冠動脈狭窄群の心機能低下を示唆する結果は得られなかったが今後は遮断部位などを変えて検討を続ける予定である.
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