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1988 年度 実績報告書

エンドトキシンショックに対する受動免疫療法の試み

研究課題

研究課題/領域番号 62570570
研究機関愛媛大学

研究代表者

小野 仁志  愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (80152536)

研究分担者 佐川 庸  愛媛大学, 医学部附属病院, 助手
酒井 堅  愛媛大学, 医学部附属病院, 助手(元研究代表者) (90136341)
キーワードエンドトキシン血症 / リポポリサッカライド / モノクローナル抗体 / 受動免疫 / tumor necrosis factor / interleukin-1 / prostaglandinE_2
研究概要

昭和62年度に作製したエピトープの異なる種類の抗リポポリサッカライド(LPS)モノクローナル抗体(mAb)を用いて、エンドトキシン血症に対する受動免疫の有効性を検討するとともに、LPSの示す生物活性に対する各mAb影響を調べ、エンドトキシン中和機序に関して研究した。1.LPS投与により第2相反応が抑制された。2.D-galactosamineにて感受性を高めたC57B1/6マウスに惹起したエンドトキシンショックに対し、抗OmAbと抗RmAbに明らかな防御活性が認められた。3.1および2の両実験系において抗Lipid A mAbには防御活性が認められなかった。4.抗-Oおよび抗-RmAbの前投与はIL-1産生をむしろ増強する傾向を示し、エンドトキシンショックや家免における第2相発熱反応に対する抑制効果とは相関しなかった。5.LPSの活性化マイクロファージに対するTNF産生誘導活性は抗Oおよび抗R抗体で有意に抑制された。6.抗O抗体はLPSのPGE_2誘導能を著しく抑制するのに反し、抗R抗体には逆にこれを増強する活性が認められ、両抗体のエンドトキシン中和機序の相違が示唆された。7.ショ糖濃度勾配遠心法を用いた免疫複合体の分析において、抗OmAbはLPSと少なくとも19S以上の大きい免疫複合体を形成したが、抗RmAbとLPSの複合体は9s程度、抗Lipid A mAbのそれは14s程度であり、このことは6.の結果を裏付けるものと思われた。
以上の結果より、in vivoではLPSのミセル化によりLipid A ipitopeが遮断されるため、抗Lipid A抗体による防御を不可能にしていると考えられる。これに対し、LPSミセルの最外層をなすP多糖領域に対する抗体とLipidA部分に隣接するRコア多糖領域に対する抗体にはそれぞれ異なった機序によりLPSのTNF産生誘導活性を減弱させ、抗エンドトキシン作用を発揮するものと結論される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐川庸: 愛媛医学. 7. 181-193 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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