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1987 年度 実績報告書

活性炭吸着制癌剤の癌性腹膜炎に対する作用機序の免疫学的検討とその効果増強の試み

研究課題

研究課題/領域番号 62570575
研究機関明治鍼灸大学

研究代表者

咲田 雅一  明治鍼灸大学, 外科学教室, 教授 (40117883)

研究分担者 山口 俊晴  京都府立医大, 第1外科, 助手 (90111327)
キーワード癌性腹膜炎治療 / 活性炭吸着制癌剤 / 活性炭吸着マイトマイシンの作用機序 / 腹腔マクロファージの活性化 / 殺細胞活性 / 宿主免疫能への影響
研究概要

癌性腹膜炎に対する活性炭吸着マイトマイシン(MMC-CH)の作用機序を, 主に腹膣マクロファージ(PM)にspotをあてて免疫学的に検討し以下の結果を得た. 1.MMC-CHの腹膣内(ip)投与により, 腹膣浸出細胞(PEC)に投与翌日に最も増量し5日目迄高値を保った. 一方同量のMMC水溶液(MMC-AQ)投与では, 投与翌日にPEC数は顕著に減少し, その数はMMC-CH投与時の約1/10となった. 2.MMC-CHのip投与によるPMの活性化(殺細胞活性)はMMC-AQ投与の場合とほぼ同等で投与後3日〜5日前後でpeakとなった. MMC-AQ投与ではその後急速に殺細胞活性を失うのに対し, MMC-CH投与では2週間以降迄殺細胞活性が維持された. 3.MMC-CHによるPMの活性化はMMC投与量およびE/Tratioに比例して増大したが, carrageenan投与で消失した. 4.MMC-AQ投与は, MMC-CH投与に比し脾および胸腺重量に顕著な影響をおよぼし, また脾細胞芽球化能を著しく抑制した. 5.MMC-AQのLD50量は8mg/kgであるのに対し, MMC-CHのLD50は18mg/kgであった. 6.MMC-AQに投与後6時間後には全く検出されないのに対し, MMC-CHは投与後72時間でも腹水中に検出された. 7.MMC-CHにより活性化されたPMの殺細胞活性は, ip投与されたMMC濃度によってもたらされる殺細胞活性によりはるかに高かった. 8.MMC-CHを投与されたマウスのPMの超音波破砕上清には, MMCが0.025μg/ml程度検出された. この事から, PMの殺細胞活性の一部は投与されたMMC-CHを貧食したMOが, これをtruget細胞にtransferすることによって生じる可能性も示唆された. 9.免疫賦活剤OK-432とMMC-CHの腹膣内合併投与によりPMの殺細胞活性をMMC-CH単独投与より, より増強出来た. 以上, MMC-CHはMMCの腹膣内での滞留・徐放効果以外にも, 宿主免疫能を損うことなく, 腹膣マクロファージに強い殺細胞活性を生じ, 癌性腹膜炎の治療剤形として非常に適していることが判った.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sakita.M.,Iwamoto.A.,Hata.K.and Takahashi.T.: Gann.

  • [文献書誌] 岩本昭彦,〓田雅一,大田幸樹,高橋俊雄: 癌と化学療法.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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