肝内結石症に対する治療法の開発の試みとして、フィリブリン包埋結石摘出法及び電気水圧衝撃波による砕石法とを組み合せて用いる新しい治療法の基礎的・臨床的検討を行なった。 本年度では本研究の臨床的検討を中心として行なった。肝内結石症患者に対して電気水圧衝撃波砕石法による治療の臨床応用を行なった。その成果の一部は第23回日本胆道学会において「肝内結石症治療の新しい試みと工夫」と題して発表した。その結果、本法は肝内結石の再発例や遺残肝内結石症例に対しては侵襲も少なく有効な治療法であり、何ら大きな合併症もきたさない安全な治療法であることが判明しつつあるが、いまだ症例数も少なく今後の更なる検討を要すると考えられる。また、肝内結石症に合併する胆道狭窄に対して胆道内視鏡によるバルーン・ブジー法を2例に行なったが有効な方法であると考えられ、今後の症例数の増加とともに報告する予定である。しかしながら電気水圧衝撃波砕石法による治療効果や再発率に関しては多数の症例の集積が必要であり、かつ長期間の予後が検討されるべきであると考えられ、現在検討中である。
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