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1987 年度 実績報告書

制癌剤のリンパ管内注入に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570577
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

里美 昭  埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50105912)

キーワード制癌剤のリンパ管内注入 / 高分子量制癌剤
研究概要

制癌剤を直接リンパ管内へ注入する治療法の有用性と, それに適した薬剤の条件を検討するため, 分子量と作用機序に大きな違いのある制癌剤(1)FT(Futraful)(2)NCS(Neocarzinostatin)を家兎の下腹壁リンパ管および静脈, 動脈へ各々注入し, その後の組織内(肺, 肝, 腎, 大腸, リンパ節)や血中内濃度の経時的変化を, 各投与経路について比較検討した.
その結果, 1)低分子量のFTをリンパ管内に注入すると, 大部分は胸管を経て, 大静脈系へ流れるが, 一部はリンパ管外へ漏出し, 腸管で吸収され, 門脈へ流れると思われた. 2)高分子量のNCSは, リンパ管外漏出が少なく, かつリンパ節内停留の傾向が強いと思われた. 3)リンパ管内注入療法には, 水溶制, 脂溶制ということよりも, 高分子量の抗癌剤が適している事が示唆された.
以上の事をふまえて, 担癌動物について, さらに高分子量抗癌剤のリンパ管内投与における有効性を検討するため, 家兎のVX_2癌腫瘍を用いて, 本実験に適当な, リンパ節移転実験モデルの作成をこころみた. 方法は, 家兎の大腿部皮下に移植発育させたVX_2癌腫瘍を移植後4週で摘出し, VX_2癌細胞浮遊液(10^7個/ml)をハンクス液を用いて作成, その0.1〜0.2ccを, 下腹壁から鼠経部へ走るリンパ管内へ注入した. その結果, 注入後1〜2週では, 注入部の腫瘍発育は認められるが, リンパ節転移は非常に小さいかはっきりせず, 3〜4週で, 外腸骨動脈周囲に, 0.5〜1cm大の転移巣が確認された. しかし, 肺転移や縦隔転移を起こすまでにはいたらなかった.
以上の結果より, 注入後3週目のVX_2腫瘍転移家兎を用いて, 現在, FTリンパ管注入群, NCSリンパ管注入群, FT静注群, NCS静注群の4群について, 組織内濃度, 特に, 転移リンパ節内濃度の経時的変化を, 比較検討中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 里見昭: 癌と化学療法. 14. 2262-2268 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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