• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

制癌剤感受性試験の基礎的研究ー制癌剤の腫瘍中移行度を中心にー

研究課題

研究課題/領域番号 62570579
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

久保田 哲朗  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00118944)

キーワード制癌剤濃度 / ヒト癌株 / 臨床手術材料 / ヌードマウス / 比較薬理学的研究
研究概要

5-Fluorouracil(5-FU)500および1000mg/bodyを各5人の担癌患者に投与し血清中の濃度をbioassayにより経時的に測定した。Gauss-Newton法により解析した500,1000mg/body群の最高血中濃度(Bmax)が50.4,86.1μg/ml AUCが82.8,1848.4μg・min/mlであり、腫瘍中濃度と血中最高濃度の比(T/Bmax)は1000mg群で3.1%であった。ヒト乳癌株(MX-1)を担癌したヌードマウスに5-FU120mg/kg1回腹腔内投与した時のBmaxは119μg/mlでありAUCは2570μg・min/mlであった。5-FUのMX-1腫瘍中最高濃度は12.4μg/g、T/Bmaxは10.4%となった。
cisplatin(DDP)50mg/bodyを5人の担癌患者に投与し血清中のPt濃度を蛋白結合型と総Ptにわけて原子吸光法により測定した。総プラチンのBmaxは2.24μg/ml、AUCは61μg・min/mlであった。非結合型プラチンの血清中減衰は一相性でありBmaxは1.17μg/ml、t1/2は33.8分であった。血清中Ptの結合率は投与後1時間で66%、2時間で100%となった。総PtのT/Bmaxは42.9%であった。MX-1担癌マウスにDDP9mg/kgを1回腹腔内投与した時のBmaxは4.8μg/ml、AUCは143.9μg・min/mlであり、MX-1腫瘍への移行度T/Bmaxは40.6%であった。(総Pt)
以上の本年度の成績に、前年度までの成績を加えて各種抗癌剤のヒトとマウスにおける薬物動態を比較すると以下の如くである。
ヒト投与量(mg/body) Bmax AUC T/Bmax マウス投与(mg/kg) Bmax AUC T/Bmax
MMC 20 0.84 20.2 0.9 6 1.09 49.7 1.3
ADM 40 0.41 15.8 354.6 8 1.44 90.6 209.1
5-FU 1000 86.1 1849 3.1 120 119 2570 10.4
DDP 50 2.24 61 42.9 9 4.8 143.9 40.6
マウスとヒトのT/Bmax(%)における相関係数は0.996であり、両者における抗癌剤の腫瘍中移行度は基本的に一定であった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kikuyama,S.;Kubota,T.;et al.: Cell Tissue Kinetics. 21. 15-20 (1988)

  • [文献書誌] 久保田哲朗 他: 乳癌の臨床. 2. 517-523 (1988)

  • [文献書誌] Yamada,Y.;Kubota,T.;et al.: Surgical Research Communication. 4. 41-51 (1988)

  • [文献書誌] 久保田哲朗 他: 癌と化学療法. 15. 2081-2086 (1988)

  • [文献書誌] Kubota,T.;et al.: Japanese Journal of Cancer Research(Gann). 79. 1224-1229 (1988)

  • [文献書誌] Inoue,S.;Kubota,T.: Keio Journal of Medicine. 37. 355-364 (1988)

  • [文献書誌] Kubota,T.;et al.: "The clinical usefulness of human xenografts in nude mice.In,Predicition of response to cancer therapy" Alan,R.Liss, 213-225 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi