• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

原発性上皮小体機能亢進症の病理組織型診断におけるFlow cytometryの応用

研究課題

研究課題/領域番号 62570581
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

小原 孝男  東京女子医科大学, 医学部・内分泌外科, 助教授 (70090488)

キーワード原発性上皮小体機能亢進症 / 上皮小体癌 / 上皮小体腺腫 / 上皮小体過形成 / flow cytometry / DNAdiploid / DNAaneuploid
研究概要

1.パラフィン包埋標本からえた上皮小体細胞のFlow cytometryによるDNA Datlernの解析.
(1)原発性上皮小体機能亢進症の49例から摘除した68個の上皮小体病変について, Flow cytometryによるDNA patternの解析を行なった. 上皮小体病変の病理組織型別内訳は, 癌症別14からえた原発巣12と遠隔転移巣11, 腺腫30, およびMENI型症例からえた過形成15である.
(2), 腺腫30および過形成15は, DNApatternがすべてdiploidyであった. 一方, 癌14例のうち10例(71%)はdiploidであったが, 4例(29%)は, aneuploidであった. 同じ症例の原発巣と転移巣とでは, DNApatternに違いはなかった.
2.DNApatternと術後経過の関連性についての検討. (1), 腺腫と過形成:すべてが術後血清Ca値は正常(観察期間平均37ヶ月). (2), ancaploidの癌4例中3例は, 局所再発や肺転移を最長3年の間隔で繰り返し起こした. そのうち1例は初回手術から12年後高Ca血症により死亡. 残りの1例も局所再発を起こしたが, 再手術後9年血清Ca値は正常範囲. (3), diploidの癌:10例中4例が局所再発または肺転移を起こした.
しかし, そのうち2例は局所再発巣摘除後, それぞれ3, 6年, 血清Ca値は正常である. 1例は, 肺転移巣摘除後7年, 血清Ca値は正常である. 1例は, 肺転移巣摘除後7年, 血清Ca値が11mg/dl程度の軽度高値に落着いている. もう1例は, 再手術でも再発巣が確認できず, 高Ca血症が持続. 残りの6例では, 初回手術後2〜5年を経過するが再発の術後はない.
以上の研究結果からFlow cytometryによるDNA解析は, 上皮小体癌の病理組織型診断に役立ち, しかもその予後判定に有用性があると分かった. さらにその精度を検討するため新鮮標本からえた上皮小体細胞についても, DNApatternの解析をすすめている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fujimoto,Y. Ohara,T.: Surg.Clin.North Am. 67. 343-357 (1987)

  • [文献書誌] 小原孝男.藤本吉秀: 治療. 69. 2121-2126 (1987)

  • [文献書誌] 小原孝男: 臨床医. 14. 308-309 (1988)

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi